マガジンのカバー画像

ぺトリコールと詩の虹

329
自作の詩をまとめてます。
運営しているクリエイター

記事一覧

定理

届かないのなら 空も天井も同じだと 君は見上げた 少しだけ寒い春だった 闇と夜の違いを 伝え…

雨後 晴太郎
1か月前
4

せっかく

ねぇ,いいの せっかく来てくれたのに せっかくの制服にせっかくの友達 せっかくうまれてきた…

雨後 晴太郎
2か月前
5

にゃー

通り雨の残した湿度が 泣き疲れた朝に似てて 誰にも言えない小さな夢を 唇にだけ灯した まだ…

雨後 晴太郎
3か月前
6

翔ける

高く飛ぶときめたから. 無酸素旅行は青の向こう いつの間にか蹴飛ばした昨日が 悲鳴をあげて…

雨後 晴太郎
4か月前
7

今期一番の寒さです.の今期が占める間, 一息で飛び越えられずに凍ったままの言葉を抱えて ま…

雨後 晴太郎
8か月前
3

寝しなは戯れ

街頭が静かになりすぎた時間 吐息だけが循環するのは 健康的とは言えない 涙を流すことだけ…

14

祝祭

さあ鐘が鳴る。花が咲く。 君がために世界は今朝も生まれいづる。 街には聖歌が満ちる。 月と星と太陽が共に光る。 思わず君は歌い出す。 誰も覚えていない君だけの歌が流れ出す。 君は足跡をつける。少しだけ土が舞って それからまた風が運んでいく。 止まない喝采に君は少しだけ手を上げて 向かい風を選んで拳を握る 次第に街は遠ざかり、耳には何一つ届かなくなる 瞼の裏でこだまする君だけの歌を頼りに進む 目を瞑り、歯を食いしばり、拳を一層固くする 視えずともそんな

伝えたい言葉もきっと全てじゃなくて いつか僕が灰になる時、煙になって 少しなら時を超えら…

11

人工痴脳

都合のよい入力と 適当な出力を設定し 量子計算の渦によって生成された ありきたりな欲情を イ…

10

zebra

いつも 期待は よこしま 広がる視野で 捉えた身体 ありえないifと 転がるfact 捨てられるほ…

4

ないで。

大好きだなんて言わないで 多分本当だから言わないで 嘘だとしても言わないで 本当を嘘にさせ…

6

小人

逃げるつもりはなかったんだ。 遠のく足は饒舌だ。 傷つかないための嘘と 傷つけるための本音…

11

多分怒られてしまうのでしょう 名前のない誰かに 足りないだとか苦しいだとか言えば ハッピー…

8

こんにちは かつてのぼく 靴紐が結べずに 泣いたぼく 夕やけが怖くて 泣いたぼく こんにちは いつかのぼく 夢中で駆けぬけた わらうぼく 土薫る膝小僧と わらうぼく ぼくがぼくであるより前に かつてそらだったぼくが いきをすってはいて 目をとじた むぎわらぼうしのうえで おどっているのをみた それからずっとずっと おおきくながあく のびてのびて すっぽりぼくが知るところの せかいになってしまったのだ またどくんどくんと音を立てる せかいがいきている ひとつがふたつ ふた