通り雨の残した湿度が
泣き疲れた朝に似てて
誰にも言えない小さな夢を
唇にだけ灯した
まだ言葉にならないままで
だから君の手と繋ぎたい
私のままで,君のままで
僕らはどこまで語り合わずに
今を生き抜けるのだろう
深海魚のようにひっそりと
朽ちていけるなら
愛の骨格だけを遺してくれるのに
すり減った皮膚に染み込んだ
いつかの君の夜が
ずっと私だけのものになる
転がり落ちる旋律に
身勝手な祈りを乗せて
私はただ
にゃー,と鳴く
狡いねって私が知っている
冷たい指先を合わせて
私はただ
にゃー,と鳴く