〜色色に夜明け〜
彼を照らした光が
眩しすぎて私にはむしろ闇だった
君の影にすら私はなれなかった
横顔すらまともに見たことがなかった
ある朝彼がいつの間にか
目の前に居た
描くことしかできない私の前に
彼は降り立った
羽ばたく音が聞こえた
私が彼の飛び立つ場所に
なれるかもしれないと思った
言葉にはできないから
ひたすらに描いた
描いて描いて
絵の具が尽きるのに
心は満たされた
彼が飛び立つのを
私が一番近くで
その羽ばたきで起きた風で
夜を振り払う程に
朝が来た
晴れた朝が来た
色にまみれた指先に
彼の羽が触れる