横顔

一番欲しい言葉は
いつも冷蔵庫の隅で固く乾いている
雨上がりのコンクリートから
立ち上った空の匂いに
うっとりして、
思わず愛してると言ったけれど
誰に届くことも無い言葉は
ビー玉に変わって
コロコロと足元で僕をつまずかせる。

伝えることが出来ないのに
知っている言葉と、
伝えるための言葉を
持たない想いは
どちらが可哀想なんだろうと考える時、
僕は君の横顔ばかり思い出す。
君はいつも何かを探し求めるような目をして
僕の砂漠を見ていて
そして
いつも風が吹いていた。

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