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#180 妄想インドカレー ネグラ ②

新型コロナウイルス感染対策のため、電車移動を伴う食べ歩きは自粛しつつ、テイクアウトを利用して地元・高円寺のカレー屋さんを応援する企画、題して「高円寺カレー屋巡り強化月間」。12回目の今日は「妄想インドカレー ネグラ」へ。

「妄想インドカレー ネグラ」は「インドに行ったことのない店主が妄想で作るインドカレー」をコンセプトに、八百屋で売っている身近な野菜と世界各国のスパイスを組み合わせた独創的なカレーを提供すると評判のスパイスカレー店。

2016年のオープン当初は、高円寺pal商店街の中程付近に店を構えていましたが、その後の建物の取り壊しにより、現在はエトアール通りに移転しています。前回訪問したのは移転前の店舗だったので、何だかんだで4年ぶりの訪問となってしまいました。

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「ネグラ」が提供するカレーは、複数の副菜と2種類のカレーがワンプレートになった日替わりメニュー1種類のみ。
今日のメニューを確認しようと表の看板を眺めていると、ご主人がわざわざメニューを持ってきて説明してくれました。

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今日はこちらの「カレー弁当」と、せっかくなので追加オプションの「タンドリーチキン」も付けてもらうことにしました。

流石人気店だけあって、そうこうしているうちにも次々とお客さんがやって来て、このまま路上で待っていても通行の妨げになるため、お弁当ができるまでの間、店内で待たせてもらうことに。

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初めて足を踏み入れた店内は、まるでおもちゃ箱をひっくり返したかのような賑やかさ!
壁にかけられたサイババ風の巨大イラストや様々なアジアン雑貨に混じって、何故か平等院のペナントや京都の提灯などの観光みやげのほか、昭和テイストなガーゼマスクやミラーボールまでもが店内のそこかしこに散りばめられていてポップにしてカオス、キッチュにして摩訶不思議な妄想インド世界が広がっていて何だかとっても楽しい気分に。

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興味津々でキョロキョロと店内を見回しているうちに、お弁当のできあがり!
というわけで、今回テイクアウトした「カレー弁当」がこちら。

画像5※右側のカレーはそれぞれ2人前の分量。1人前の場合はこの半分程度の量になります。

うわぁ!惣菜がてんこ盛りで美味しそう!!
いただきまーす♪ぱくり。

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豚軟骨のビンダル・・・ポークビンダルーと言えば、本来はワインビネガーなどでマリネした豚肉を煮込んで作る、酸味が特徴的な南インド・ゴア州の郷土料理ですが、「ネグラ」のビンダルーはまるで濃厚なトマトスープのよう。酸味はまろやかで、むしろトマトの甘味の方を強く感じます。柔らかく煮込まれた豚軟骨のコリっとした食感も楽しく、他では決して味わえないタイプの、正に「妄想インド」なビンダルーです。

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シルクスウィートのダル・・・絹のようになめらかな食感が特徴のさつまいも「シルクスイート」と豆のカレー。粘度が高くぽってりとしており、さつまいもの甘味がしっかりと感じられる濃厚な味わいは、一瞬さつまいものポタージュ、もしくはホワイトシチューのようにも感じられましたが、後からホールのクミンやフェンネルがふわっと香り、これがカレーであることをはっきりと思い出させてくれます。

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タンドリーチキン・・・フレンチの「コンフィ」の手法を用いて調理されたチキンは、柔らかくふっくらジューシー、かつ適度にオイリーでカルダモンの香りがとても印象的。こちらも他店では決して味わえない唯一無二の妄想インド炸裂な逸品。

マッシュポテト・・・里芋のマッシュのような気がしますが、メニュー表に載っていなかったため料理名などの詳細は不明。まろやかな酸味とねっとりとした食感が特徴的。見た目は地味ですがかなり美味です。

甘長とうがらしの焼きびたし・・・辛くない唐辛子・甘長とうがらしを使い、ホールのクミンで香り付けした和×印な惣菜。素材そのもののポテンシャルを生かした滋味深い味わい。野菜の美味しさを素直に感じられます。

タケノコのかつおぶしピクルス・・・ピクルスと言えども酸味はほんのり感じる程度の穏やかさ。素材の美味しさを引き立たせる優しいスパイス使いの和風ピクルスです。

新じゃがとワイルドペッパーのチップス・・・マダガスカル島の原生林で収穫される貴重な野生の胡椒を用いたローストポテト。ブラックペッパーのような辛味はなく、山椒のように爽やかな香りと繊細な刺激がポテトの風味に良くマッチしています。

最後は全てを混ぜて、南インドスタイルで一気に完食!

「ネグラ」の料理は味といい、香りといい、印の雰囲気を纏いながらもどこかしら和を感じさせるような穏やかで滋味深く優しい味わいです。
そしてどの料理にも共通して言えるのは、主役はあくまでも肉や野菜など素材そのものであり、スパイスはそれらを引き立てるための脇役として存在しているということ。
料理は足し算だけじゃなく引き算も大事なのだと改めて実感。

次回は是非、優しいカレーとは打って変わって、刺激的なスパイス感が評判の「痺れるチャイ」もオーダーしてみたいと思います♪

ごちそうさまでしたー!

晴れ、時々Curry。2020-05-23


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