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#184 カリーライス専門店 エチオピア 本店 ②

下北沢、西荻窪、高円寺——。
カレーと聞いて思い浮かぶ街はいくつもあるけれど、忘れるわけにいかないのは、やっぱり神保町。

昨今のミールス人気に代表される南インド料理ブームや、大阪発祥のスパイスカレームーブメント、またそこから生まれた新業態である間借りカレーの台頭によって、いまや都内随所でハイレベルなカレーが食べられるようになりましたが、つい5、6年前までは、カレーを食べるなら神保町というくらい、当たり前のようにこの街に足を運んでいたような気がします。

というわけで、今夜は久しぶりに神保町へ。

神保町と言えば大正13年創業の「共栄堂」を筆頭に、「ボンディ」「カーマ」「鴻 (オオドリー)」など、新旧様々な名店が軒を連ねるカレーの超激戦区ですが、その中でも特にわたしのお気に入りがこちら、カリーライス専門店「エチオピア」です。

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店頭に飾られた食品サンプル、レトロなフォントの真っ赤な看板、入口に据えられた券売機——。
この古き良き昭和の香り漂う佇まいが何とも言えません。

入口すぐの券売機で食券を購入し、空いている席を探そうと振り返ったところ、天井に取り付けられたノスタルジックな趣の古い看板が目に留まりました。

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「エチオピア 」という、およそカレー屋らしからぬこのユニークな店名は、元々カレーライスとコーヒーの専門店だった創業当時の面影を残すもので、かつて同店が提供していたエチオピアコーヒーがその由来となっています。

奥の方に空いている席を見つけ腰を落ち着けたところで、店員さんに食券を渡し希望の辛さを伝えます。本日は「ミックスチキン+野菜カリー」の7倍をオーダー。

オーダー後まず最初に供されるのは、茹でたじゃがいも。
別途リクエストすることで、マーガリンを付けてもらうことも可能ですが、今回は卓上の「スパイス塩」を試してみることに。

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適当に振りかけて食べてみたところ、これが想像以上に美味!
インドのミックススパイス「チャットマサラ」のような旨味があって、個人的にはマーガリンよりも好みです。

さて、じゃがいもをちょうど食べ終えたくらいのタイミングで、お待ちかねのカレーが運ばれてきました。

はぁ~♪いい匂ぉ~い♪♪
いただきまーす!ぱくり。

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んー!!
これこれ!この刺激!!

ミックス野菜+チキンカリー・・・茄子、プチトマト、えのき、ブロッコリー、ひよこ豆、キャベツ、しめじ、ピーマン、チキンなどのたっぷりの具材とサラサラのグレイビーをライスに絡ませ、スプーンで掬い口へ運んでみると、多種多様なスパイスが使われている中でも特にクローブの主張が強く感じられ、どことなく薬膳的な雰囲気のある味わいです。
個性が強いだけに、人によって相当好みの振り幅が大きいカレーだとは思いますが、個人的にはかなり好みのタイプ。ただし、作り手による違いなのか自分のコンディションの問題なのか、毎回微妙に味わいが異なる気がします。ちなみに今日はいつもより香りも辛さも若干控えめに感じました。
とはいえ、このブレも含めてわたしにとって「エチオピア 」は愛すべき店の一つなのです。

はぁー♪お腹いっぱい!
でも・・・食べ終わったばっかりなのに、すぐにまた食べたくなるってどういうこと!?

ホント、この中毒性が堪らないんですよね。
やっぱり好きだなぁ。「エチオピア」も神保町も。

ごちそうさまでしたー♪

晴れ、時々Curry。2020-06-05


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