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『なまはげ連続殺人事件』

田園広がる山合い。

その奥に 佇む 一軒の食堂。

三人組の強盗が入り、
店主夫婦は
ナイフを突き付けられる。
奥の部屋から見ている娘。

恐怖に震える食堂の娘は、
助けを求めて、一心に祈る。
『なまはげ助けて!!』

・・・物語は
こうして始まる。



一連の殺人事件。
現場に必ずある物。

「なまはげの面と包丁」

「ああ、ステキだわ!
   カッコイイ!なまはげ!」

うっとりした表情を浮かべるのは
成長した食堂の娘。

大人になった食堂の娘は
豪華な邸宅に住んでいる。
部屋ごとに 壁に飾られた巨大な、
金のなまはげの面。

「今日も わたしを見守っててね 
  金のなまはげ!」
手を合わせ祈り、うっとり微笑む。

連続殺人事件の現場には 
なまはげの面と包丁。
新聞で事件の記事をみるたびに 
歓喜する彼女。
そして 事件現場へ。

「ここでも わたしのなまはげが!
きっと悪いヤツをやっつけてくれたんだわ!
・・・かっこいい」

そして また うっとりとした笑み。

連続殺人事件は
『なまはげ連続殺人事件』として
連日ニュースを賑わせる。
悪人だけを狙う なまはげは
ヒーローとして 大人気となっていた。

「わたしのなまはげが大人気!
    なんてステキなの!
    みんなが夢中だわ!」

彼女は歓喜した。

彼女は人生の全てを捧げ、
なまはげ信仰の教会を建てていた。


「なまはげ連続殺人事件」
事件は加速し
悪人は次々と消されて行く中。

なまはげ教会に立つ人影が···!?



冬は
干し芋が旨い。
時々は 炙って食べる。
甘味と 薫りに そそられる。
お供には
煎茶が好きだ。


そう、
夢で見ていた映画の話を
家の者に説明していたところだ。

「なまはげが神様?」

干し芋を頬張りながら
茶をすする家の者は
こんな話を
面白そうに聞いてくれる。

「ねえ、この話どう思う?」

「ぷうっ」

幸せそうに干し芋には
あまり興味の持てる内容では
なかったらしい。

そのうち きちんと
「物語」として
まとめてみよう。
ふと、そんな事を思った。

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