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ベートーヴェンを毎日聴く102(2020年4月11日)

『ベートーヴェン/「レオノーレ」序曲 第3番 op.72b』を聴いた。

第1番から第3番まである「レオノーレ序曲」。

一番有名なのがこの「第3番」で、コンサートでも良く取り上げられる。「第2番」との差は短くなったこと。それにより聴きどころがグッと凝縮されていて、単独で聴いても管弦楽曲としてドラマチックな作品となった。

出だしの和音も1回だけと減ったのだが、その1回が鳴るだけでも今後のドラマがどのように展開されていくのか?と惹きつけられるような感じになる。

その後、第1主題が静かに始まるが、畳みかけるように音楽が高まるのが最初の聴きどころ。

後半に差し掛かると「第2番」にもあった、劇中で大臣が到着するときに演奏されるくファンファーレが舞台裏で2回鳴り響く。この直前の盛り上がりもドラマチックでグッとくるところ。

そして最後はヴァイオリンが輝かしく激しく細かく刻まれ、それがヴィオラ、チェロ、コントラバスを巻き込み、雄大なフィナーレへと導かれる。聴き終わったときは大きな満足感を得られる。オペラが始まる序曲ではあるが。

「フィデリオ」に改訂されてからは序曲の座からは外されてしまったこの「第3番」。しかしながら、今でも人気が高いベートーヴェンの管弦楽作品として存在しているのは、初演失敗により、知人のアドバイスも受けながら、ムダな部分をそぎ落とした大改訂の成果である。

(記:2020年12月7日)

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