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摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~元摂食障害当事者からのメッセージ~364


「一人でパフェを食べたこともありましたけど、誰かと一緒に食べて『おいしさ』とか『時間』とか『空間』を分かち合うことで、より心が満たされた気がしましたし、『食べること』には、食べたいものを食べたいだけ食べるという楽しみもあるけれど、その楽しみを誰かと分かち合ったり、会話を楽しむということも大切なのだということを改めて思い出すことが出来たんじゃないかな、と思います」

そうですか。人と繋がること、人と会って話をすること、話を聞いてもらうこと、同じ空間で同じ時間を一緒に過ごすこと。これらのことを通じて、いろいろなことに気付かれたり、いろいろな考えが頭に浮かんだりしたようですね。

「そうですね。家で一人でいる時も『普通に食べる』ために今出来ることとかを考えたりするのですけれど、休みの日みたいに時間がある時にはどうしても食べることを考えてしまうし、一人で食べていると過食になってしまうことがほとんどなので、先生の言う通り『人と繋がる』ことで気付いたり、一人の時とは別の考えが頭に浮かんだりすることがある、というこを改めて感じることが出来たと思います」

その他には、何か気になったことなどはありましたか。

「そうですね。後は、友達に『もっと自信を持ってもいいんじゃないか』ということを言われました」

『自信を持つ』ですか。

「はい。確か私が『友達のおかげで大切なことを思い出すことが出来た』みたいなことを言ったんです。そしたら、

そんな、お礼を言われるようなことは全然してないと思うけど……確かに私は紗希と一緒にここに居て、一緒に食べて、一緒に話をした。だけど、紗希の言う『大切なこと』を思い出したり、何かに気付いたりしたのは紗希自身なんだよ。私は何もしてないよ。もっと自信を持ってもいいんじゃないかな。

って言われたんです」

そうですか。こういうことは、人によるかもしれないし、時期の問題かもしれませんが……確かにお友達の言うように、話をしたからといって何かを思い出したり、何かに気付いたりすることが出来るとは限りません。そういうことが出来たのはあなただからであり、『今の』あなただからであるとも言えると思います。いくら話をしたり、話を聞いてもらったりしても心の奥まで響かない人もいると思いますし、今はまだ耳に入らない時期だということもあるでしょう。それでもあなたの心には何かしら響くものがあった、というかあなたが心を開いていたのですから、そのことには自信を持ってもいいと思いますよ。


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