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摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~「痩せたい」と「食べたい」のその先へ~125


「さっき『あるきっかけでカリフォルニアのワインを飲んでみた』って言ってましたけど、どんなきっかけだったんですか?」

「あぁ、その話ね……」

気が付くと、ボトルが空になっていた。

「紗希さん、もう少し飲む?」

「あっ、はい。いただきます」

新山さんが、キッチンに向かって軽く会釈した。

「私ね、昔若かった頃、ほんの少しだけモデルの仕事をしていたことがあったの」

初めて聞く話だった。

「新山さん、モデルだったんですね!全然知らなかったです」

「そうよね、会社では一切話してないから誰も知らないと思う」

「あっ、でも新山さん、背も高いし、美人さんだからとっても似合いそう。少なくとも今の会社よりは全然モデルの方が『らしい』です」

「ありがとう。褒め言葉だと思って受け取っておくわ。それでね、紗希さんも何となく想像は出来ると思うけど、そういう業界ってお酒を飲む機会が結構あるのよ」

「そうですよね、打ち上げとか、パーティーとか、多そうですよね」


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