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ナレッジ共有を習慣化させるコツと、定着への道筋

先日、「エルで働くライターの日記」シリーズで、ライターの神保が弊社の取組である「一日一力」について記事を書いてくれました。みんなにとって有意義なものになっているのだなぁと嬉しくなります。

さて、今日のお題は「 #習慣にしていること 」。この一日一力という取り組みは15年間で延べ19500件超のエントリーとなりましたが、投稿の内訳、毎日つづける習慣化のこと、そしてその情報・知識を定着させる方法について書いてみたいと思います。

ネタのジャンル内訳

この15年の中でシステム変更などもあり、現在稼働中の三代目ブログが2022年10月13日時点で9,119件。以下のように細かくカテゴライズされています。

ジャンル別に見てみると、

  1. Webサイトのブックマーク:33%

  2. デザインや構築など制作に関すること:31%

  3. ディレクション・プランニング系:7%

  4. マーケティング系:7%

  5. ソフトウェア、CMS:6%

  6. Webサービス:5%

と、制作会社らしい比率かなという印象です。
また、これらは以下のように紹介されることが多いです。

  • サイトレビュー・紹介(デザイン、技術、コンテンツなど解剖)

  • 有益情報の共有(他社の取り組み、仕事に役立つことなど)

  • 業界の最新トレンド(知っておいたほうがいいこと、マーケなど)

  • 技術の最新トレンド(仕事で取り入れたいこと)

  • 個々の職能に合ったネタ(グラフィック、ライティングなど)

  • 企画・アイデア(キャンペーン、広告、おもしろネタ)


ネタの収集方法

僕の場合は

  • デザインポータル巡回

  • 気になるブログやニュースサイトの購読(RSSリーダー)

  • Twitterで流れてきた情報をブックマーク

  • noteがおすすめしてくる記事

などが多いです。


さて、本題です。

習慣化のコツ

一日一力はすっかり習慣化されているのですが、以下に挙げたように、負荷を書けずに、多くが享受できる仕組みづくりがポイントだと思います。

①定例にする

毎日の朝礼で今日のタスクを確認したあと「一日一力」の時間を必ず設けています。当たり前にある状況をつくります。なお、仕事に取りかかる前にみんなで同じことをする「同調状態」の時間は、その後の協力関係を築きやすいと言われています。

②時間をかけない

一人ひとりの紹介時間は1〜2分程度です。ダラダラするのは習慣化を阻害します。共有したいことを短時間でまとめるのは、よい訓練になります。

③更新を簡単にする

情報共有のプラットフォームはWordPressです。Bookmarkletを用意しており、投稿にコードをコピペするとサムネールまで生成する仕組み。アクションが少ないのは大事です。

④有益な時間であることを理解する

自分のネタをアップするのはわずかな時間。そのうえで毎日人数分のネタを享受できるので、ギブ&テイクの価値が高いです。日々、自分の引き出しにない情報・アイデアに触れることができるのは、新しい発見の連続で、嬉しいものです。

⑤自分の価値観を大事にする

各自用意するネタは、基本的に自分(自社)にとって関心のあることです。自分の価値観にあった行動をすることは、マインドセット形成につながります。日々、その認識を感じる時間があることは、自分にとって大切な時間を作っていることになり、習慣化の後押しになります。


定着化させるには

情報に触れる(だけ)ではなかなか定着化はしません。それは、セミナーを受ける(だけ)・本を読む(だけ)でも同じことが言えます。定着化するにはどんな方法があるでしょうか。

①探す、書く、話す、巻き込む

一日一力の仕組み自体がそうなのですが、以下がセットであることが大事だと思っています。

  • ネタを探す:情報収集力

  • 簡単にまとめる「書く」アウトプット:要約力

  • MTGで発表する「話す」アウトプット:プレゼン力

  • 新しいことをチームに取り入れる、人を動かす:巻き込み力

②過去投稿を振り返る

このプラットフォームがあることで、折に触れて過去投稿を読み返すことが多いです。そもそも情報がしっかりアーカイブ化されていることが重要。

③シリーズ化し、じっくり取り組む

とても有益な記事・他社の取り組み記事があったとき、数分でコアな部分まで共有することは難しいです。「短い時間でやる」が逆効果になるパターンです。この記事は深堀りしたほうがいいとなった場合は、数日に分けて紹介することもあります。セミナー参加や本を読んで学んだことを紹介する場合もこのパターンが多いです。

④みんな一緒に観る

これは最近はじめた勉強会でも取り組んでいますが、動画を一緒に観る、という取り組みです。

⑤ディスカッションする

ネタによっては、それについて話し合いになることもあります。ディスカッションすること活性化され、新しい知見が注入されることが実感できます。

⑥教える・教え合う

ネタを共有するとき、ただ紹介するだけ・読み上げるだけでなく、自分が先生になったつもりで話したり解説できるようになると、発信者の定着に寄与すると思います。自分がまず理解していないといけないので。

⑦ヘルプデスクに登録する

共有したネタが会社の業務に貢献しそうだという場合は、汎用的な情報をまとめたヘルプデスクブログにも投稿されます。アプリやサービスの使い方、撮影に関すること、法律関係、テンプレート集など。

⑧知識を作る

オードリー・タン氏は、以下のように言っています。

知識は作られるものでも、暗記して得られるものでもなく、新しい状況に直面したときに「作られる」もの。知識を知識としてではなく、素材・材料とし、自分の脈絡の中でそれらの素材が統合されなければ知識にならないと捉えています。一人ひとりの知識の道のりは、必ずその人個人の経験から出発したものであり、経験を逸脱することはありません

なにもない空間が価値を生む / オードリー・タン


おわりに

習慣にすることは、それ自体が目的ではありません。

この取り組みを続けていると、"自分のため"というより"みんなのため=チーム貢献"という意識につながり、それが行動につながるケースがあります。実際にこの仕組みから派生して、「研修やりたい」「サンプルコードまとめました」「新しい雛形作りました」というメンバーの主体的な行動もたくさん生まれています。

習慣にしていることが、しっかり定着することが大事。そして、その定着化のポイントは能動的であることが大事。共有したことを仕事や業務、社内文化に反映させてこそ意義があります。

朝の数分の取り組みが、能動スイッチであり続けるといいなと思っています。

関連リンク

習慣・継続についてはいくつかnoteの記事を書いています。合わせてどうぞ。

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