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決まらないのは決められないから【デザインプロセスの進め方】

こんにちは!IT企業でデザイナーをしている harahiro です!

先日、学生時代に所属していたデザイン研究会のワークショップに参加してきました。そのときに、後輩の学生がデザインプロセスの進め方について悩んでいたので、今回はその進め方のポイントについて記載したいと思います。

なんとなく悩み続ける学生たち

ワークショップに参加したとき、学生たちはちょうど中間発表をしていました。発表内容や質疑応答を拝見したところ、自分たちが発見した課題やアイデア、アウトプットに対してどうもしっくりきていない様子で、なんとなく手を動かしては「やっぱり違うな〜」みたいなことをずっと繰り返しているようでした。

自分たちがしっくりくるアイデアやアウトプットは、出し続けた案の中から突如出てくるもので、いまはなんとなくそれが思いついていない。だからとにかく案を出すしかない!といった印象です。

なぜ方向性を絞ることができずに同じことを繰り返してしまうのか。その原因についてはあまり考えられていない様子でした。


決められないことには理由がある

このような状態に陥った要因は色々あると思いますが、私が思うに最大の原因は判断基準がないことにあると考えています。

例えば、アイデアを決める場面を思い浮かべて見ましょう。

出したアイデアはそれぞれが同レベルで、それ自体に優劣はありません。なぜならそれが何を解決するためのアイデアなのかによって価値は変わるからです。

ではどうすればその価値を判断して最も適切な案を選択することができるのでしょうか?

答えは簡単です。

コンセプトや発見した課題に対しての考察、現状に至ったプロセスが軸にあって初めてそれが判断基準となり優劣が決められるのです。

つまり、アイデアを出す前のフェーズで決めたことが、どれだけ達成できるのかを比べれば、自然と選ぶべきアイデアが決まるということです。

逆に、アイデアを出す前に課題の深掘りや目的(なんのためにアイデアを出すのか)が明確になっていないと、アイデアを選ぶことができなくなります。なぜなら選ぶ基準が無いからです。

これはアイデア出しのフェーズだけでなく、全てのフェーズで利用できる考え方だと思っています。

もし、今までの考察やプロセスの振り返りを行っても現状のフェーズを進められない場合には、以下の可能性があります。

①今までのフェーズに問題がある
②現状では判断できるだけの情報が足りていない

①の場合は、問題と思われるフェーズまで戻って、その1つ前のフェーズでなにを大切にしていたのかを分析することで軌道修正してみましょう。

何か解決の手がかりが見つかるかもしれません。

②の場合は、どんな情報が判断基準になるのかを考えるところから始めてみましょう。

例えば、「水中で使いやすいペン」を作りたいなら、水中がどんな状況で、現状はどのようなものが代わりに使われていて、どのような状態が理想なのかを考えることで、なにが「水中で使いやすい」のかを定義することができます。それを判断基準として方向性を定めれば、きっと納得のいく答えが見つかるはずです。


また、意図的にデザインフェーズを進めることで、新しい情報を手に入れる方法もあります。

その際に重要なことは、なんとなく進めるのではなく、なにを知りたいのかを意識して、現状のフェーズに戻ることを前提に進めてみることです。

プロトタイプを試作するように、試しては戻るを繰り返し、判断基準になりえる情報を揃えることが大切です。


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