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ユニークな大阪のゴミ焼却場の見学会。建築物に込められた芸術家の思想。

昨日はずっと気になっていた大阪は舞洲にあるゴミ焼却場の見学会を開催しました。



気になっていたのは20代の頃、友人からフンデルトヴァッサーという芸術家を教えてもらったのがきっかけでした。



平面作品や建築デザイン、パフォーマンスなど表現方法が多岐に渡る芸術家で20代の頃よく画集などを購入して熱心に見ていました。


亡くなった当時はいろんなメディアで見かけたような気がしますが20年ほど経ち、あまり名前を聞くことがなくなったように思います。個人的にはもっと評価されて良いアーティストだと思っています。



芸術家としての側面以外にも、彼の哲学に基づいた自然と調和する建築物は高い評価を得ていました。

残念ながら彼がデザインした舞洲ゴミ焼却場は、完成を待たずして亡くなってしまいます。今回舞洲ゴミ焼却所の外観、少しの内観デザインを案内してもらいながら改めて素晴らしいアーティストだなーと感じました。


今はSDGsという言葉が一般的になりましたが彼は1960年ごろから環境保護の重要性を作品に取り入れ始め彼がデザインする建築物にはふんだんに自然を取り入れるようになります。


定規で引いたような直線を否定し、絵画作品や建築物にもできるだけ直線を取り入れないデザインを心がけました。



今まで遠くに見えていた彼の建築物ですがやはり目の前にしてみると迫力がすごい!!




外観デザインだけとは言え、かなり細かい所までこだわったデザインが施工されていてほんと感動しました。



館内の設計は普通の建築でしたが至る所に彼のポスターが貼られていました。工場の方によると「フンデルトヴァッサーの会社から使い終わったカレンダーが届くので日付の部分を切って飾ってるんです。」と言ってました。

とても細かいことですが、少しでもゴミを減らそうとする彼のマインドが今も受け継がれているのだなーと感動しました。


中のゴミ焼却についても案内してもらい、改めて僕たちアーティストが環境に対しての問題意識を持つことすごく大事に思いました。



大量生産大量消費の時代に生まれて当たり前のように日々を過ごしていますが、僕たちがARTのためにARTを生み出しているのか、一方で僕たちの生きる世界をARTの力でどうやってより良くしていくべきか、そんな根本的なことを突きつけられたように感じます。


行きたくてもなかなか行ける機会が見つからず20年越しに行くことになった訳ですが、また機会があれば一年に一回くらいやってみてもいいのかなーと思います。事前に予約すれば少人数でも見学可能とのこと。また機会があれば。



大阪で絵画制作や美術活動をしつつ、ARTspace&BARアトリエ三月を運営しています。サポート頂いた分は活動費やスペース運営費として使用させて頂きます。全ての人がより良く生きていける為に 美術や表現活動を発信し続けます。