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なぜ子どもを生むと文章がつまらなくなるのか
ある作家(Aさんとする)のエッセイが、少し前から、書くことがことごとく両親の事だったり、子どものことばっかりで、なんだかいつも同じとこをぐるぐる回っていてつまらなくなった。
Aさんの両親は既に他界しているし、子どもたちも成人して家を出ている。でも、いつまでも両親が生きていた頃のことや、子どもたちと過ごしていた頃のことを思い出して、ノスタルジーにふけっている。読まされた側としては「あんたの昔話は聞き飽きたよ。てか知らんがな」という気分になる。
作家は子どもが生まれるとつまらなくなる、という理由も分かった気がした。子どものことを書かれても正直「ふーん」で終わってしまう。別にそこに新鮮さはないから。Aさんが若い頃に書いたエッセイは、色んな人と恋をしたり、旅行したり、友人と喧嘩別れをしたり、そういった話が新鮮だったのだけど。
好きなものでしか周りを固めていなくて、小さくまとまったら、作家としてというか人として、つまらなくなるのかもしれない。ある程度成功すると嫌なこともなくなって、自分の周りを好きなものだけで固められるから、仕方ないっちゃ仕方ないのかもしれないけど。
Aさんは文章力と感性がものすごい人だから、せっかくいいものを持っているんだから、別のものを書いて欲しいんだけどな、と勝手に期待しては失望してしまう。
Aさんの読者はどちらかというと「弱さを隠さない、むしろ弱さを前面に出していく」タイプの女性が多そうだから、きっと合わないんだろう。私は「頑張ってバリバリ働いて、弱さなんて絶対に見せない」タイプの女性の方が好きだし、私がそうなりたいから。本当は弱いくせに。弱い自分を見るのは嫌だから、うじうじしてそこから進まない人間を見ると、蹴とばしたくなるんだと思う。
あと、昔から天然キャラや、何をしても許される可愛いげのある女の子が苦手だったのも「弱くてもいいんです。そのままで愛されています!」っていう自信が、きっと羨ましかったんだろう。私はこんなに頑張らないと愛されないのに、って。
それは勘違いだったと、30代後半に差し掛かってきてやっと気づけた。別に人間は弱くてもいいし、頑張らなくても愛されるんだと。そのこと子どもたちにも伝えていければいいんだと思うんだけど、一向に勉強や外遊びをせずに家で動画やゲーム漬けになっている長男を見ては、イライラしてしまう。
頭で分かっていても、実際に行動に移すのって難しいですね。まだまだ長い夏休み、親御さんたち乗り切りましょ。
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