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結婚に必要なのは「努力、忍耐、たえ忍ぶ心」

夫から「メタトロン受けてきたんだね」と言われた。彼にはそのことを言っていなかったから驚いたが、おそらく私のnoteを読んでくれたのだろう。彼に伝えていなかったのは、そういう非科学的なものが嫌いだと知っていたからだ。私が診断結果を軽く説明すると「……まあ、占い程度に考えた方がいいよ」と返された。当たるも八卦、当たらぬも八卦。

「そもそもメタトロンって何?」という方は、こちらの記事を参照下さい。

私はわりと感情的で(というか感情的すぎる)共感性が高く、第六感を信じている。夫はかなり論理的で、「人の気持ちが分からない」と悩んでいる、データや過去の経験を重んじるタイプ。だから会話が嚙み合わないこともあり、おしゃべりが好きで共感が欲しい私は少しだけさみしさを覚えることもあるけれど、最近では「自分と性格が違う人が、家族で良かったのかもな」と思うようになった。

もし夫が私とめちゃくちゃ気が合って「メタトロン?めっちゃいいね!僕も受けてこようかな!」と同調してくれる人間だったら、私が間違えた道に進んでしまった時(「今から万引きしてくるわ!」と言ったら「おお、流行ってるもんな!」と返してくるとか)に、家族全員で地獄への階段を転がり落ちることになるからだ。自分にないものを相手に求めるのは、人間の本能なのだろう。

特に恋愛においてはこの傾向が顕著だ。性格が似ている人とは親しい友人にはなるけれど、お付き合いに至ることは少ない。逆に性格が正反対の人とは友達になることは少なくて、恋に落ちて頭がハッピー野郎になっていれば「自分と違う!面白い!魅力的だ!」と興奮して、結ばれる。しかしその幻想もやがて冷めていき「恋愛とは自分の理想像を相手に投影していただけ」と気付く。あとには夫婦という関係性だけが残され、数十年に渡って続いていく。

かつて経済学者の楠先生が、講演会で「夫婦のいざこざが絶えなくて悩んでいます。先生の思う結婚生活に必要なものは何ですか?」と質問をした人に「努力、忍耐、たえ忍ぶ心」と答えていた。あれほど弁が立ちそうな先生ですら、しんどい面を抱えているんだな~!と思った。

結婚制度自体が悪だ!とか、結婚した方が人間的に成長できる!とか、そういうことを言いたいわけではない。結婚とは、相手が自分と違う人間だと知り、その違いを受け入れることだ。自分の人生を丸ごと否定されるような感覚に陥ってしまい、簡単にはいかない時もある。つまり結婚って究極のSDGsなんじゃねえの?と思う日々なのであった。

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