見出し画像

教師が生み出す不登校

印象に残りそうな学校とのやり取りがあったので、感じたことや考えたことを記録しておこうと思う。

ちなみに、このnoteは学校や先生を非難するために書いたのではない(そこにエネルギーを注ぐ意義はない)。行き渋るわが子を今日も無理やり学校に行かせている、一人でも多くの保護者に届きますように。

息子(13歳、中2、今年1月から完全不登校)が来月からフリースクールに通うことになった。小学生の時から行きたかった学校に、ようやく行けることになり、本人は胸をふくらませていた。

ちなみに、フリースクールは文科省の認可を受けた「中学校」ではないので、通常は出席扱いにはならないけれど、所属校との連携によって、出席日数をカウントしてもらえるケースがある。

そのための書類を所属校に記入していただくため、近々所属の中学校に出向こうと思っていた。本人はまったく学校に行っていないので、私が行くつもりだったのだが、どういう風の吹き回しか本人が「今日、中学校に行こうかな」と言い出したので、「じゃあこの書類を先生に渡してきて」と持たせた。

はたして、息子は私服で中学校へ向かった。中学校には「制服かジャージで来なくてはならない」という、絶対的なルールがあるにもかかわらず。

もともと彼が学校に行きたくない理由の一つが、制服だった。そのルールがあるために、学校行きかけたけど結局行かなかったことが、この半年で4回ぐらいあった。

時間割や持ちものを聞くために、「本人が明日学校に行くと言っているので」と前日に担任の先生に電話するのだが、その際に、必ずと言っていいほど、不登校児には高い「ハードル」を課せられるのだった。

  • 必ず制服かジャージで来ること

  • 1時間目から6時間目まで、自分の教室・自分の机で過ごすこと

  • 来るからには、きちんと授業を受けて聞くこと

お母さんからも本人に伝えていただけますか、と念を押される。
これらを本人に伝えると、「じゃあ、行くのやめるわ」となる。

今回だって、学校には制服で行かないといけないのもちろんわかっているけど、本人はあえて私服で行った。

今までのように学校に事前連絡すると行かなくなるから、とりあえず行かせてみようと思い、私も止めなかった。「まずは行くこと」からすべては始まると思ったから。

やはり、制服を着ていないという理由で、書類を受け取ってもらえず帰されることになった。
(最終的には、副校長先生が書類を受け取ってくれた)

そしてやはり、すぐに学校から私あてに電話がかかってきた。

「お母さん、ほかの子の目もあるので、制服かジャージで来てもらわないと困ります。」

私は電話をかけてきてくれた先生(1年生の時の担任)に私の考えを伝えた。

「先生、学校は不登校だった生徒が学校に来ることよりも、ルールを守らせることを優先するんですか?」

「そんなことしてるから、不登校の子が増えるんですよ。」

「先生たちが不登校の子を増やしているの、わかっていますか?」

先生は私の言うことには耳を傾けることなく(聞いているように見えても実際は傾聴しようとしないのは日常のこと)、

「お母さん、落ち着いてください。お母さんのおっしゃることもよくわかります。でも学校にはルールがあって、うんぬんかんぬん・・・」

電話を切ったあと、男性担任からも電話がかかってきた。

「書類を受け取らないつもりだったわけではなくて、なんで制服で来ないのか本人に聞いたら、暑いからなんて言うので指導しました」と。

帰宅した本人に確認した。

「あなた、暑いから私服で来たなんて、先生に言ったの?」

「暑いから私服で来たんだろ?」と誘導気味に言われたそうだが、「暑いから制服を着ていない」なんてことは言っていないと、本人は言う。

息子は怖い存在である父親に対しても、怒られるのがわかっていても、絶対に自分の考えを曲げない人間だ。

私はその場にいなかったから確かめることはできないけど、事実とちがうことを親に報告してきたことは、この中学では過去にもあった。

ちなみに、息子は今年1月に当時の校長や担任に「制服はどうしても着たくない」と主張したことがあった。もちろん、そんなの通らなかったけれど。

ここで何が言いたいのかというと、【暑いから/寒いから】という理由で私服で学校に行ったわけじゃないということ。制服を着たくないから、納得できない理由に従いたくないから、私服でいっただけなのである。それを先生は、「暑いから勝手にルールを破って私服で着た」と親に報告してきた。

そもそも、「暑いから私服がいい」だって、現代の世の中では合理的な理由ではないかと私は思う。

半年近くも不登校だった生徒が自分から学校に来た、私服だけれども。

私が先生だったら、まずは「よく来たね」と言ってあげると思う。
そして「なぜ私服で着たの?」と理由を聞いてみる。
その上で「今度は制服かジャージを着てこようね」と。

想定していたから大きな驚きはなかったけど、今回の先生がたの対応こそが、この学校の先生方の考え方・やり方のスタンダードであり、この学校のすべてを象徴していると思った。

人としてどうなんだろうと思ったし、こういう先生が指導している学校だったら、無理に行かなくて良いと私は思う。

すべての学校・先生がこうではないと知りつつ、学校ってこわい場所だなぁと感じた。

マニュアルでしか動けない人間、自分の頭で考えられない人間の最たるものは、学校(特に公立中)の先生なんじゃないか。

物ごとの本質を敏感にとらえる私の息子が、この学校に行きたくなくなるのも、まったく不思議ではない。

息子自身も今回のことを投稿している。

学校には制服で来ないといけないというルール。
制服で来ないと、学校には入れないというルール。

誰が決めたのだろうか?

もちろん学校には言い分があると思う。

私が強い疑問を感じたのは、「ルールを守る」ことは、「生徒が学校に来る」ことよりも、優先されるべきことなのだろうか?

ルールを守ることを強いているために、学校に来れない/行かない子を増やしているのを、現場の先生は認識しているのだろうか?

いったい、誰のための学校なのだろうか?

私の息子は、この公立中にもう二度と行かないと言っているし、それは尊重しようと思う。

でも、親としては、地元の中学に通ってほしかった。

なぜこれほどまで多くの子どもが、地元の中学に行かず、多額のお金を払ってまで「私立校」や「フリースクール」に通っているのだろうか?

地元の公立校が、子どもが自分から行きたくなるような魅力的な学校だったらどんなに良かったか。

とても残念でならない。

旧態依然のシステムや生徒を古いルールに従わせるのが当たり前という公立中ではどこも同じなのかもしれないが、一般企業でこのような対応をしたら、命取りになるようなレベルの問題だと私は思う。

息子の中学が変わることはないだろうし、人としての在りかたを疑ってしまうような先生が指導しているような学校には、期待することはなにもない。

このnoteは、学校や先生に向けて書いたのでは決してない。行き渋るわが子を今日も無理やり学校に行かせている、一人でも多くの保護者に目を覚ましてほしくて書いた。

未来ある子どもたちから、生きていく上で最も大切な「自信」や「意欲」を奪うのは、もうやめようよ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?