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【書評】やりすぎ教育 商品化する子どもたち~教育熱心と教育虐待の境目は

タイトルにドキッとして、読んでみた。

わが家には、公立校に通う
中2と小3の息子がいる。
(中2長男は現在不登校w)

塾には通わせていないし、
習いごとも野球ぐらい。
この時点で少数派である。

中2長男が幼いころは、
父親である夫の方針で
早朝から毎日漢字の指導を
していた。

えんぴつの持ち方がまずかったり、
夫の思うように書けないと
夫が怒鳴ったりするものだから、
長男は泣きながら取り組んでいた。

息子は父親がこわいから逆らうことは
できなかったし、私は私で
夫の指導方法について不満があり
それはよくもめていた。

それもあって、息子は勉強が大きらいだ。
勉強は苦痛なものでしかないのだ。

私自身は子どものころから勉強が
好きだったから、子どもはみんな
好きなものだと思っていたけど、
人それぞれだということを知った。

長男が低学年のときは、ソロバンや
サッカーやピアノをやらせていたけど、
芽が出なかった。

というか、野球を始めてわかったのが、
本人に向いていなかったし、
本人が好きじゃなかったということ。

親のエゴでやらせていたのだと
後になってから反省した。

一方で、野球はもっと早くから
やらせてあげるんだった。

運動が苦手だった長男が、
ハードで厳しいはずの野球に
夢中になるなんて想像もしなかった。

相変わらず未熟な親ではあるけれど、
一番育ててあげたいのは、「主体性」

以来、Z会の教材はそこそこに(本人は渋々)
取り組ませているけど、私自身は
あまりガミガミ言うことはない。

だって、強制的に学ばせても身に着くものでは
ないと思うし、学びたくなったら、自分から
学ぶんだろう
と思うから。

『やりすぎ教育』を読んで、とりあえず
わが家はセーフだと安堵した。

わが子に必要以上の学習を強いているわけでは
ないし、幼いころの読み聞かせから始まり、
読書もたくさんさせていて、今は2人とも
本の虫である。

2人ともゲームは持たせていない。
ゲームを持たせずに、何とかここまで
やってこれた。

2人とも読書が大好きになったのは、
ゲームを知らないからというのも
あるのかもしれない。

ゲームに勝る刺激はないだろうからね。
本人たちは不本意だったと思うけど、
持たせなくて良かったと思う。

また、わが家では、自然本物
触れさせることを大切にしてきた。

私自身が宮崎県の山奥で育ったから、
自然の少ない東京で子育てするなんて、
今でも違和感を感じるのだ。

キャンプに連れて行ったり、
田舎の祖父母宅で過ごしたり。

プラスチックのおもちゃやゲームを
与える代わりに、できるかぎり、
自然を与えるようにした。

だからうちの息子たちは、

棒切れ1本あれば、
タオル1枚あれば、
遊具がない公園でも、

飽きずに遊ぶことができた。

一方で、

『やりすぎ教育』を読んだら
日本社会が抱えている問題の
深刻さに絶望的な気分になった。

工業製品を育てるように、
ロボットを育てるように、
既製品を育てるように、
育てられ、

大人の過度な期待と強制で、
精神的な健康度が著しく低下している
子どもたち。

彼らの行く末はどんな未来に
向かっているのだろうか。

一抹の不安を感じざるを得ない。

そして、子どもたちを救うために
社会に、私たちに、何ができるのか?

子どもたちの健全な学びを実現するには?

親だけが、学校だけが努力しても
限度がある。

社会が変わらないと。

でもどうやったら
社会を変えられるのだろうか?

この本ではまた、
日本の不適切な養育や教育が
不登校や引きこもりという状況を
生み出していることが示唆されていた。

不登校や引きこもり、
そして若者の自殺率の高さは、
日本特有の現象らしい。

日本の教育がいびつなために、
たくさんの子どもたちが、
同様に多くの教員が心を病み
うつ状態になっている状況。

日本の教育界での過剰な競争や
強制的な勉強の悪弊は
国連からも指摘されているそうだ。

結論は出なかったけど、
非常に考えさせられた本だった。

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