大転職時代の足音 人と会社の「寿命」逆転 編集委員 西條都夫


#NIKKEI

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経済界のトップから日本的雇用慣行の中核ともいえる終身雇用について問題提起が相次いだ。中西宏明経団連会長(日立製作所会長)は5月7日の会見で「終身雇用を前提に企業経営、事業活動を考えるのは限界。外部環境の変化によって働き手はこれまでの仕事がなくなる現実に直面している」と述べた。

これに呼応するかのように、トヨタ自動車の豊田章男社長も「企業へのインセンティブがもう少し出てこないと、終身雇用を守るのは難しい局面」と日本自動車工業会の会見で表明した。2人の言葉は、令和時代の日本の雇用がどう変わるのかを示唆する予言的な重みがある。…

…むしろ対応に苦しみそうなのは、終身雇用を前提にして組織や制度を組み立ててきた大企業や労働組合、政府などの「体制側」だろう。中西発言、豊田発言を契機として、転職時代への備えを急ぎたい。

人類の歴史を振り返るならば、これまでの仕事がなくなる時は、これまでなかった新しい仕事が生まれる時です。問題は、日本の経営者たちが産業の変革時において雇用を維持する能力ないために、日本の企業組織が変化に適応できる体制になっていないというだけの話です。そもそもこれまでの日本の経営者たちに、それらの能力は求められてきませんでしたので仕方がありません。

これから生まれる新しい経営者の条件として、産業の変化に適応し雇用を維持する能力を備えていることが必須となるかもしれません。変化に適応できない大企業は一度破壊して、新しい経営者たちのつくる組織に任せた方が良いかもしれません。

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