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MBAデザイナー的コンビニエンスストア現象への考察


①ネット=若者、リアル=シニアの時代ではなくなった。トレンドの起点が若者ではなくなった。
②モダンマーケティングにおけるセグメンテーションでの重要度が、地理的変数やデモグラフィック変数(「年齢」や「世代」など)から、サイコグラフィック変数や行動変数へとパラダイム・シフトしてきているため、消費行動の予測が複雑になってきた。
③背景として、消費行動がモノからコトへ。シュミットの経験価値マーケティング(1999)におけるStrategic Experiential Module(戦略的経験価値モジュール)であるSense(感覚的経験価値)、Feel(情緒的経験価値)、Think(認知的経験価値)、Act(行動的経験価値)、Relate(関係的経験価値)という主観的な経験や体験消費が重視されるようになってきた。


参考資料:
〈ヒットのクスリ〉年配はネット、若者は店 旅行予約など老若逆転

2019年9月27日付

#NIKKEI

(以下一部転載)
ネット社会が到来して20年。もはやネットが若者、リアルがシニアという領域の区分けは消滅しつつある。フリマアプリのメルカリのデータを見ても、シニアの利用は急増している。18年の50代以上の利用者は前年に比べ60%増という高い伸びを示す。

まさに"コンビニエンスストア現象"があらゆる分野に及んでいる。かつては若者の殿堂だったが、時代とともにシニアの比率が上回ることだ。…

若い世代が流行を生み、それが徐々に幅広い年齢層にシフトしていくという古典的なマーケティングトレンドは崩れていくだろう。いわゆるイノベーター→アーリーアダプター(初期市場)と移行し、マジョリティーを形成していくパターンはどこから生まれてくるのか読めなくなる

情報過剰の時代はトレンドが消えると以前書いたが、それを象徴する動きがあった。カジュアルウエアのラコステが自社ブランドの古着と新品を混在させた期間限定の店を東京・原宿に開いたのだ。新品を扱うブランド衣料の企業が古着を扱うのは実に珍しい。

若い世代にとって古着に抵抗感がなく、むしろ過去のとんがったデザインは刺さる。ラコステは必ずしも若者向けブランドではないが、新旧合体でアピールしようというわけだ。同社はこの試みを「OLD meets NEW!!」と銘打ち、新たなサービス展開を検討している。

例えば80年代のラコステと新品をコーディネートすると、前衛的な印象が生まれる。漫画をデザインした古着のTシャツはラコステにとって黒歴史かもしれないが、遊び心とブランドイメージのズレに魅了された。…



中山兮智是(なかやま・ともゆき) / nakayanさん
JDMRI 日本経営デザイン研究所CEO兼MBAデザイナー
1978年東京都生まれ。建築設計事務所にてデザインの基礎を学んだ後、05年からフリーランスデザイナーとして活動。大学には行かず16年大学院にてMBA取得。これまでに100社以上での実務経験を持つ。
お問合せ先 : nakayama@jdmri.jp



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