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「レンタルなんもしない人」 が求められるBeingの時代

2019年6月21日(金)日本経済新聞<ヒットのクスリ>には「レンタルなんもしない人」 適度なぬくもり 他人に求めと題した次のような興味深い記事が掲載されていました。

#NIKKEI

以下一部転載。
テレビや書籍で「レンタルなんもしない人」が話題だ。何でもやりたがる時代に「なんもしない」って? 当人に話を伺うと、一人分の「存在」を提供するだけで想像できないようなニーズが生まれることが分かった。

このサービスを提供する森本祥司さん(35)。大阪大学で物理学を専攻したが、挫折。教育関係の企業に就職するも他人から何かを期待されることにストレスを感じ、退社する。そんなとき、心理コンサルタントが提唱する「存在給」という言葉に引き寄せられた。「人はいるだけで価値がある」という考え方だ。…

人生がうまくいかない結果、誕生したなんもしない人レンタルは「無」がキーワード。それが生活者の思いを受け止める有用性につながった。…

フランスの哲学者デカルトは「我思う故に我有り」と言いました。

他方で仏教においてお釈迦様は「これある故に彼あり、これ起こる故に彼起こる。これ無き故に彼無く、これ滅する故に彼滅す」と縁起(えんぎ)の法を説かれました。あなたという存在は、あなた以外の存在があることで、「存在」として成り立っているのですという意味です。仮に、あなたという存在を、誰も認識する人がいなかったならば、あなたはあなたとして本当に存在していると言えるのでしょうか。

デカルトならば存在というものを「1+1=2」というカタチで表したかもしれません。他方でお釈迦様ならば、「1/2+1/2=1」というカタチで存在を表すことでしょう。つまりは、私もあなたも存在としては、1/2でしかなく、私とあなたがいることで始めて1の存在として成り立つということです。私が私だけでは存在していない、つまりは私はない、これを「無我(むが)」と言います。私とあなたの間に相互依存の関係性が成り立つことで存在が確立されます。

時代が加速度的に変化する時代だからこそ、改めて、「存在」の持つ意味と価値を見直す契機が訪れているのかもしれません。


中山兮智是(なかやま・ともゆき) / nakayanさん
JDMRI 日本経営デザイン研究所CEO兼MBAデザイナー 
1978年東京都生まれ。建築設計事務所にてデザインの基礎を学んだ後、05年からフリーランスデザイナーとして活動。大学には行かず16年大学院にてMBA取得。これまでに100社以上での実務経験を持つ。
お問合せ先 : nakayama@jdmri.jp


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