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『「移民」で読み解く世界史』の感想


『「移民」で読み解く世界史』の著者は、河合塾世界史講師の神野正史さん。

塾講師ならではの快活な文章は、大変分かりやすく、面白かったです。

世界史でも古代のセム系遊牧民が移動することで、先住民の文化が破壊され、混血し、新たな民族(カナン人、フェニキア人、アムル人、アッシリア人、アッカド人、ヘブライ人など)が誕生します。もうこのあたりで嫌になるのですが、このような移民は幾度も発生し、そのたびに歴史が大きく動き、移民を受けた側の民族が滅亡していくことが分かりました。(22ページから24ページを参考にしました。)

現在の日本でも、移民を受け入れるような政策を進めていますが、移民を受け入れるということは、いままでの文化が消失してしまうことです。

読んでいる間は、少しでも土地を渡してしまえば、侵略されるため、どんなに少ない土地でも外国に明け渡してはいけないと強く思いました。





でも、よく考えれば現状の日本ってすでに侵略されてない?

地元だけかもしれませんが、農地の多くは、年々住宅になっていますし、日本の土地なのにパスポートがいる箇所があることを以前YouTubeで知りました。


古代の移民は、先住民をせん滅して、土地を奪っていましたが、今の場合はもうこの形式ではなく目には見えない形で侵略を受けているのでは?

そうであれば、どうすれば自分たちの文化が守れるんでしょうか?そもそも自分たちの文化ってなに?
もうすでに古き良き日本はなくなっていると思っているので、いまさら外国の方が来られても、穏便に済ませる他ないような気がします。


文化が壊されて困る方々は、もしかしたら庶民ではなくお金持ちや権力をお持ちの方々なのかもしれないと思いました。

その割に移民を受け入れる政策を進めているのは、雲の上の方々なので、私の思っていることは間違っているのかもしれませんね。

現代でも、移民を受け入れる政策をした国がどのようなことになっているのかなどが分かりやすくまとめられているので、日本に当てはめて考えたらどうなるのか、想像しやすかったです。


移民という視点から歴史をみると、意外と理解がしやすく、世界史を勉強している方にもおすすめです。ページ数は270ページですが、読みやすいため早い人なら1日で読めると思います。

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