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小説書いてます。※ツイートは金融取引を推奨するものではありません

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    最近の記事

    佳境を迎えるインフレと相場

    突然の株高 10月に入って早々、株式市場は再度リスクオンに傾き始めた。市場は、某スイス系銀行の破綻ネタを一通り味わい尽くした後は飽きたと言わんばかりに大きく上げており、荒い値動きになっている。 株高をもたらしたのはISM製造業の悪化による金利低下である。世界景気との連動という点で、台湾の輸出受注は米ISM製造業とよく連動することが知られている(下図)。足下では新型iPhoneの苦戦が聞こえており、iPhoneの販売、ひいては台湾の輸出が苦戦するならば、米国のハイテク製造業も

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      • 中国を巡る国際投資資金と為替介入

        中国が為替介入の準備を指示した、との報道がロイター発で出た。足元の人民元相場は1ドル=7.2元に接近しており、米中貿易摩擦が激化した19年8月やコロナ禍にあった20年3月~5月に試して以来の安値となる。 人民元市場(本土市場)では、当局が定める取引可能バンドの中で参加者は値決めを強いられ、元高・元安といった市場の動きは当局の「承認」を経ながら進んでいく。現状、人民元レートは取引可能バンドの上限に張り付いており、当局がこれ以上の元安進行を防いでいる状態にある(下図)。こうした

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        • グローバル・バリューチェーンについて

          ⚠️相場の話ではありません⚠️ TSMCの工場が熊本に来るに際し、歓迎と批判の両方の声が聞かれる。ここでは少し視点を変えて、TSMCの工場に貴重な若い日本人を投入して作られる半導体が最終的にどうなるかを考えてみたい。 TSMCは世界最大の半導体ファウンドリー(製造企業)で、世界のスマホ向けチップ生産の7割を担う(2位のサムスンが残り3割を占める)。では同社製チップを搭載したスマホはいくらで売られるだろうか。 “グローバル・バリューチェーン(2019)”によると、09年当

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          • 何故株は強いのか

            タイトルを見て違和感を覚えるかもしれない。だが一昨日のCPIでインフレの粘着性を思い知らされ、FRBの利上げ織り込みも加速し金利も上がり、9月からはQTも加速し、景気減速の色合いが濃くなっている現環境は数ヵ月前に比べ明らかに悪くなっているように思われる。リスクオフムードが台頭してもおかしくなさそうだが、株価は数ヵ月前に比べ依然高い。米国株はゼロヘッジが提示した利上げと株価の関係が分かりやすく、利上げ加速で短期金利が上昇した割に、足下の株価は底堅さが目立つ(下図)。日経で言えば

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            意識される株価の底

            米景気の底堅さが注目されている。当noteでは以前より米景気の強さを喧伝してきたものの、先日の強めに出たISM非製造(及び製造業)は市場にリセッション「しない」リスクを改めて突き付けることとなった。 米景気の強さの根底には、米家計が史上稀なレベルでキャッシュ・リッチであることが挙げられる。やや前のデータだが、22年1-3月時点で米国家計の金融資産は過去のトレンドを大幅に上回っている(下図)。米景気ひいては相場は、この金がどこに向かうかを当てるゲームに過ぎない。 「インフレ

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            何故金利は下がらないのか(雑感)

            株価の反騰が続いています。米国株は6月発表のCPIで一時総悲観に傾いたものの、7月には原油価格反落や供給制約解消などインフレ抑制的な材料が次々に出てきたことで「FRBの利上げ姿勢が軟化するのでは?」との観測から値固めに移行、一昨日発表のCPIが市場予想を下回ったことで一気に吹き上がりました。 他方、金利については3%をやや下回る水準で一進一退となっており、株式市場が湧くようなドラスティックな低下は今のところ見られません。 米インフレについては最早多くを語りませんが、22年

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            景気と物価 二つの時間軸

            ゴルティロックス到来か?市場でゴルディロックスの機運が高まっている。7月後半から米10年金利は水準を切り下げて2.5-3.0%のレンジが定着、株価も底を打ったように上がり出した。経済指標は"Bad is Good"の格言通り、悪い結果が出れば(前のめりな)景気後退を予見し、FRBの将来における利下げを織り込むに至っている。 果たしてFRBが利下げに至るかどうか(=利下げ織り込みが正しいのか)議論が残るが、市場が想定するターミナルレート(=利上げ路線終了時の金利)は低下してい

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            米個人消費の現状と展望

            2度目の下方修正米小売大手からさらなるネガティブ材料が出た。同社通期見通しの下方修正は今年2度目であり、発表によると、インフレで消費者が大型商品の購入を手控えていること、利益率の低い食品雑貨を優先的に買っていることが背景とされた。否が応でもスタグフレーションシナリオが脳裏をよぎるところである。 業種差が大きいとはいえ米国におけるGMS(スーパーマーケット)の苦戦は以前から公式統計でも確認されてきた。米小売統計では、GMSの売上が昨年後半から足下まで、伸びていないどころかマイ

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            何故金利は上がらないのか

            米10年金利がなかなか上がらない。米10年債利回りは、6月こそ3.5%を目指して急上昇、弱含んでいた株式市場に追い打ちをかけたものの、6月中旬のCPI発表後は素直に低下し、足下まで3%を挟み一進一退の動きとなっている。FRBによる利上げ、QT開始など正常化路線フルスロットルの割には奇妙な動きに思える。 米金利が上がらない背景には、リセッション懸念やインフレピークアウト観測がある。市場では長短金利逆転など複数のリセッションサインが点灯しており、そのことがリスクオフ的に債券需給

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            米CPIは再度ピークアウト期待を一蹴

            6月のCPI上昇率は前年比+9.1%と市場予想の+8.8%をそれなりに大きく上回り、「原油もピークを付けたしCPIもそろそろ・・」というピークアウト期待を(毎月のように)一蹴した。項目別では耐久財が引き続き寄与が縮小したものの、足下数ヵ月インフレを押し上げていた非耐久財が一段と拡大した。サービス(≒家賃)の増勢は変化しなかった(下図)。現在のCPIは完全に資源がメインプレイヤーになってしまっている。 それでもなお、CPIのピークアウトは近いと考える。そもそも耐久財などは19

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            リセッションと株価(2011年からの視点)

            リセッション懸念が市場を揺さぶっている。米金利では「逆イールド」が再度出現しISM製造業など経済指標も悪化、株式(S&P500)のドローダウンは▲20%を超えた。過去のリセッションにおける平均ドローダウンは▲36.8%であり、市場にはリセッション懸念の陰が落ちている(下図)。 「今もうリセッションなのだから相場は今後は上がる」と見る向きもあるが、今現在は未だリセッションでない可能性が高い。景気の立ち位置を知るは、コンファレンスボード(全米産業審議委員会)が作る景気先行指数が

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            金利は(多分)そんなに上がらない

            金利は一進一退ながらも徐々に低下している。米10年金利は6月末のPCEデフレーターが予想比下振れたことで過度なインフレ懸念が後退、足下では2.9%前後で推移している。市場のテーマは一夜にしてインフレからリセッションへと変わった。猫の目の様に変わるテーマに投資家も目を回すばかりである。金利先物におけるFRBの利上げ織り込みも月次ベースで後退した(下図)。 米国のインフレ圧力低下は5月のnote(何故金利は下がったか)で述べた。供給網回復やドル高など、モノのインフレはピークアウ

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            リセッション「しない」リスク

            景気後退(リセッション)が警戒されている。足下で下落している米国株のドローダウンは20%に達し、下げ幅の観点では過去の景気後退局面と遜色がなくなってきた(下図)。大手金融機関からも景気後退を予想する見通しが増えつつある。 他方でアナリストが作成する予想EPSは景気後退を予見しているようには見えない。Refinitiv調査では22年、23年の予想EPSは21年を上回り成長が続く見通しとなっている(下図)。アナリストの職務上、景気後退を自身の予想に反映することは難しいのかもしれ

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            スタグフレーションについて

            景気後退が騒がれて久しい。景気の気は気分の気であり、景気後退になると思えば自家中毒的に景気は悪化する。それでも、スタグフレーションと単なるリセッションは分けて論じるべきであろう。スタグフレーションこそ70年代-80年代に欧米が陥った没落の歴史であり、エクストリームシナリオである。相場的には、例えばダウ平均は15年以上横這いが続いた(下図)。その裏で経済力を高めたのが日本であり、株価も加速度的に上昇した。日本が黄金の国と呼ばれた時代のことである。 スタグフレーション(以下スタ

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            米CPI・雇用市場について

            米CPI  6月10日発表の米CPIは前年比+8.6%とBBG市場予想(同+8.2%)を上回りました。クリーブランド連銀が発表しているCPIナウキャスト(同+8.23%)を上回る結果であり、インフレピークアウト期待を萎ませるのに十分な威力を持つ結果でした。項目別寄与度では、従来の見立てどおり耐久財価格の寄与が3ヵ月連続で縮小したものの、非耐久財、サービスの寄与が拡大し、構造的なピークアウトの力を跳ね除けてしまいました(下図左)。  前々回のエントリのとおり、中古車価格の上昇

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            何故金利は下がったのか

            低下に転じた米金利  5月下旬、それまで上昇傾向が続いていた米金利が低下に転じています。米10年金利は4月から5月にかけ3%を上抜ける展開を試しに行ったものの(そして実際に上抜ける場面はあったものの)、その後は低下に転じ、足下は2.7~2.8%で推移しています。  金利上昇が一服した背景として、①スタグフレーション懸念によるリスクオフムードの高まり、という見方と、②インフレピークアウト観測による利上げ観測の後退、という二つの見方があるように見受けられます。平たく言えば、①景

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