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【わたしのジョブ・カード】4,自分を見失う22歳

なんの苦労もなく転職が決まったものの、結局自分の目標が定まらなくなってしまったのが旅行会社での勤務でした。

私が転職したプレハブの旅行会社。
グループ自体は、大阪でもかなり大きな企業グループなのですが、私がいたのはその子会社の子会社。地元ではそれなりに名前があるものの、地方では全く通用しない旅行会社でした。

それでも大きな駅前ですし、空港が近いのでやたらに航空券が売れました。
当時は航空会社が3社あり、それぞれ発券の為の端末があり、微妙に操作方法も違っていました。端末操作の研修も大阪市内や千葉の九十九里浜まで行かせてもらいました。団体旅行の行程なども組むようになり、四国88か所巡礼の旅行の企画、添乗なども行うようになりました。

ところが、何も面白味を感じていない自分がいたのです。
確かに、専門学校でそれなりに勉強はしていましたし、やっている業務と違和感はありませんでした。それでも、なぜか面白くなかったのです。

前職での刺激が強すぎて、安全第一の社風に馴染まなかったのかもしれません。
直接サービスもしないし、情報をやり取りするだけでお金をいただくビジネスモデルが、どうも納得できなかったのかもしれません。無意識に、人事に携わる仕事に心残りがあったと思います。

入社してから、しばらくして会社再編の話があり親会社のグループに吸収されるという話もありました。会社都合で退職していたため、また会社の都合で環境が変わってしまうことにも抵抗もありました。
なので割と早い時期から、「辞めたい」と思う自分がいました。

旅行業には、国家資格が存在します。
「旅行業務取扱主任者」(現 旅行業務取扱管理者)という資格で、
国内と一般(現 総合)があります。

私と同期で入社したあと2名とで国内旅行業務取扱主任者にチャレンジすることになりました。そのころ、もうすっかり辞めたいモードに入っていたので、全く勉強もすることなく、受験するのでした。

受験した後退職したい旨を伝え、すぐに退職することとなりました。

退職してから3日後、先輩から電話がかかってきました。
「お前、合格してるぞ。」と。
えっ?全然勉強してなかったのに。
確かに、割とすらすらと回答できたけど、まさか合格しているなんて。

でも、もう旅行業界に戻るつもりはありませんでした。
ということで、せっかく取れた国家資格も一度も使うことなく、今でも保有しております。資格は、持っているだけではあまり意味がありません。

まだ、22歳の秋のこと。
全然、何も考えていない若かりし出来事です。

貴重な第二新卒という権利を、いとも簡単にあっけなく放棄しました。
しっかりと、自分のしたいこと、できることを理解しておれば、こんな結果になっていなかったかもしれません。

会社再編後、声をかけてくれた高校の同級生は私が退職してからすぐに退職し、ドイツに渡りました。今でもドイツで活躍しています。先輩方々は、元々出向で来られていたため親会社に戻られて定年を迎えられています。同期で入った2名も程なく退職し、別々の道を歩んでいます。
この時に一緒に勤めていた方々と今だにやり取りさせていただいているのは、奇跡的です。


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