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2024年4月読了本・ポスト備忘録

※注意※

 この記事は4月に私がX(旧Twitter)に投稿した読了ポストに加筆・修正を加えたものとなります。ご了承ください。

はじめに

 新学期・新生活が始まってはや1ヶ月。今までとは違う生活スペースの中でも時間を見つけて読めたんじゃないかな~。ここ最近は併読とかもしたり。さてさてどんな感じになったのかな?

また、今回はネタバレを避けて敢えてX(旧Twitter)に投稿しないと判断した感想もございます。お気を付けください。

『龍馬 THE SECOND』

著者:馳月 基矢
イラスト:煮たか
出版社・レーベル:ヒーロー文庫
読了ポスト日:4月2日

 一瞬「これラノベか?」と疑ってしまってすみませんでした! 重くなり過ぎずにここ書きたかったんだなぁって場面がギュギュっと凝縮されてた。登場人物も王道あり意外性ありで次誰が来るか全く予想がつきにくいこともあって最初から最後まで楽しめた。私の歴史知識偏ってるしちゃんと勉強しなおさないとだなぁ。もうタイトルに1ってついてるのが一周回って気になってしまったレベルで走り切ったのも好印象。良い清涼剤になった。

 詳しい話はコチラでもしてます。

『宮廷政治 江戸城における細川家の生き残り戦略』

著者:山本 博文
出版社・レーベル:角川新書
読了ポスト日:4月3日

 宮廷でのやり取りって書かれるとどうしても西洋風のイメージばかりが先立ってしまって日本のそれとはてんで結びつかなかったけど、これを読んでいると案外日本のそれも西洋系のイメージと通づる所も無くは無かったのかな? と思ってしまった。まだ幕府成立で色々と不安定だったからこそより情報が大切だったのかも。色んな話があったけどあまりにも滅茶苦茶すぎたから情報ソース書いて「これはあくまでも人伝てなんだが……」って前置きしてたのにクスッと来た。

『少年泉鏡花の明治奇談録』

著者:峰守 ひろかず
イラスト:榊 空也
出版社・レーベル:ポプラ文庫ピュアフル
読了ポスト日:4月4日

 明治当時の話題や風潮が情景描写に留まらずトリックや動機に深く絡みついていたこともあって1癖も2癖もあるミステリだった。情報の誘導もあったからその辺りに明るくなくても「そういうことか!」と納得しやすくて、読んでいて楽しかった。あやかしやお化けの知識もこれでもかという程出てきてびっくりした。本当にどこで仕入れたんだろうと首をかしげたくなる博識さ。

『少年泉鏡花の明治奇談録 城下のあやかし』

著者:峰守 ひろかず
イラスト:榊 空也
出版社・レーベル:ポプラ文庫ピュアフル
読了ポスト日:4月4日

 前回の一波乱を越えてよりコンビも板についてきたかな? と思わせる1冊。明治という時代を存分に活かした推理の構築も健在。だがそれに留まらず大きな1つの物語としてまとめ上がってるのがこの巻最大の特徴だと思う。ラストまで何が起きるか、或いは明かされるのか分からないのも怪異を中心に据えた作品らしさがあったと感じた。

★『Unnamed Memory Ⅳ 白紙よりもう一度』

著者:古宮 九時
イラスト:chibi
出版社・レーベル:電撃の新文芸
読了日:4月6日

 得も言われぬ寂しさと喪失感で迎えた新章。環境といい行動原理といい何もかもが変化した。でも、根幹にある"何か"だけは変わってないことに気が付いてどこかホッとしている私がいる。でも変わってしまったからこそ生まれる前までの差を噛み締めるとニヤケが止まらないのもまた事実。ここから2人の関係がどのように変化していくのかが気になる所。

★『Unnamed Memory Ⅴ 祈りへと至る沈黙』

著者:古宮 九時
イラスト:chibi
出版社・レーベル:電撃の新文芸
読了日:4月7日

 今明かされる衝撃の事実! 本当に衝撃の一言でしか言い表せない。確かに伏線はいくつかあったけど! アニメの台詞を見て別の意味合いで笑ってしまいそうな予感がしてきた。そっちも凄かったんだけど戴冠式前後のシーンも興奮待ったなしだった。いやいやあの流れは本当にズルいって。初見で混乱してでもこのシーンがカラーイラストに抜擢されているの本当に良かった。

★『Unnamed Memory Ⅵ 名も無き物語に終焉を』

著者:古宮 九時
イラスト:chibi
出版社・レーベル:電撃の新文芸
読了日:4月9日

 ついに最終巻、でもいつも通りの日常はいつも通りで……前半では着地点が一切見えなかったし後半は情緒がそれどころじゃなかった。あの人達については「疑ってしまってごめんなさい!」と全力で土下座したい所存です。ラストまで目が離せない展開でずっと緊張しっぱなし。私が言えることはただ1つ。2人が幸せそうで良かったです、どうか末永く。あとあのラストからあのオマケの流れはズルいと思うのです。

 こっちはどうあがいてもネタバレしちゃう! と判断した結果書いたネタバレあり感想文、

 そしてこっちは1~3巻中心のネタバレ無し本紹介だッ!

『ほうかごがかり』

著者:甲田 学人
イラスト:potg
出版社・レーベル:電撃文庫
読了ポスト日:4月10日

 ふむふむメルヘンとはこういうものだったのか~。申し訳ないレベルでこの手のジャンル避けまくってて今回も不安なまま読み始めたのが嘘のように自分好みだった。特に世界観。唐突に始まる理不尽、日常に非日常が侵食してくる様子に『かかり』と『ナナフシギ』の関係性。これだけでも面白いのに最後にどうしてこういう形になったのかと纏めにきて更に納得のいくもので興奮が止まらなかった。そして絶望した。

『ほうかごがかり 2』

著者:甲田 学人
イラスト:potg
出版社・レーベル:電撃文庫
読了ポスト日:4月11日

 救いは、救いはどこにございますか……? 状況が分かってきたこともあってようやく日常の方も整理しつつあるけどこっちもこっちで結構トンデモないような気がしてくる。特にあの教師。それはさておいて『かかり』内での人間関係も構築されてきて初回の集まりから時間が経過したんだなと感じるのと同時に崩れる瞬間が来てしまうと考えるともう……ね。毎度ながら気になる所で止めてくる。

 興味を持った方は是非こちらも参考に……。

『魔法警察ファンシー☆マリリン 証拠がなくても即逮捕!』

著者:やますやま
イラスト:さてまる
出版社・レーベル:オーバーラップ文庫
読了ポスト日:4月13日

 これまたとんでもないヒロインが現れたものだ。サブタイトルもあってか爆速のテンポで進んでいく。その代わり1冊辺りに挿入されてる事件の件数が多め。系統が偏りすぎずに色んな事件が入っていたのも興味深い。容疑者を集めて「この中に犯人がいる!」ってやる王道な解決パートの面白さを再認識させられたのも良い経験だった。

『Babel Ⅰ 少女は言葉の旅に出る』

著者:古宮 九時
イラスト:森沢 晴行
出版社・レーベル:電撃の新文芸
読了ポスト日:4月15日

 助けて下さいラストのあのシーン見て感想で書こうと思ったこと全部吹っ飛んだのですが……。それはさて置き、文字というものを俯瞰して見つめなおすいい機会になった。普段気にしないからこそ外部からの視点による気づきが多かったのかもしれない。神秘マシマシも国家を巻き込んだ騒動もハラハラしっぱなしで楽しかった。異文化のすり合わせも沢山あってかなり好み。あと主人公が徹頭徹尾女子大生してるの好き。

『非科学的な犯罪事件を解決するために必要なものは何ですか?』

著者:色付きカルテ
イラスト:よー清水
出版社・レーベル:ファミ通文庫
読了ポスト日:4月16日

 やっぱ精神に関わってくる能力ってチートだよなぁ、あまりにも応用幅が大きい。というか主人公の過去が語り部パワーで流されてるよな……そっちも気になりすぎる。前日譚も読んでみたい。あとこれは個人の見解になるのだが、異能の認知率や社会の雰囲気から全体としてドラマのような空気感が濃かったのが印象的。でも小粋なシーンも多くて息詰まりしにくいのも良かった。

『エリート』

著者:三月 みどり
イラスト:アルセチカ
原作・監修:Chinozo
出版社・レーベル:MF文庫J
読了ポスト日:4月17日

 このシリーズって読む順番でキャラに対する印象が変わってきそうだなと思った巻だった。変則的な読み方してたから余計に。ちょっとした隙間を気持ちよく埋めてくれる1冊だった。裏話でもありもう1つの物語というイメージかな? 幼少期と現在とで地の文の言い回しが違って成長してるんだなということが分かりやすかったのが印象的。家族含めたどの人間関係も甘酸っぱい。

『スパイ教室 短編集02 私を愛したスパイ先生』

著者:竹町
イラスト:トマリ
出版社・レーベル:ファンタジア文庫
読了ポスト日:4月18日

 今回ずっとギャグとシリアスの間で反復横跳びしてない⁈ ギャグ回はものによっては最早コントと言っても差し支えないような気がしてきた。明かされなかった裏話も沢山あるし本編では明かされない内面も知れたのは勿論のこと本編を知っているとニヤニヤできるポイントも多くて情緒が追いつかなかったけど極上に楽しめた。ああ素晴らしき大導師様。

『スパイ教室 短編集03 ハネムーン・レイカー』

著者:竹町
イラスト:トマリ
出版社・レーベル:ファンタジア文庫
読了ポスト日:4月18日

 待ち望んでいた"青春"がここにあった! 本編の思い出補正もあるけどそれ抜きにしても今回名回だらけだったと思う。特に好きだったのは猫ちゃんの回です。いつも以上にキャラが増えても相変わらず、否更にフルスロットルの勢いでではっちゃけたギャグと各々の深掘り。今までは焦点の当たらなかった養成校絡みのネタもたっぷり。いやいや本当に大満足。読んで良かった。それとさぁ、散々騒いでからのあのラストは…………うん、ズルいよ。

『帝国第11前線基地魔導図書館、ただいま開館中 2 王国研修出向』

著者:佐伯 庸介
イラスト:きんし
出版社・レーベル:ガガガ文庫
読了日:4月19日

 やっぱりこれ、お遊びでも何でもない、マジモンの"戦争"なんだなと真正面から突き付けられた巻だった。前回カリアさんがおこした言動が色んな方面へ波紋を広げて、人間の色々な思惑が交差していく姿が印象的だった。それでも彼女の本への愛情は変わらない。1巻読んだ時に好きだった部分はそのままで、クライマックスの盛り上がりは更なるものだった。これで興奮できない訳ないじゃないですか。

 1巻のお話はこの記事でもしてます。

 詳しい感想はこちらです、但しネタバレ注意!

『イクサガミ 天』(再読)

著者:今村 翔吾
出版社・レーベル:講談社文庫
読了日:4月19日

 本当はこんなことしてる場合じゃないんだけど、実写化決定でテンション上がって再読しちゃいました……。やっぱり設定の時点で面白すぎる。舞台が明治だったり東海道旅しながらだったり独特な部分もあるけど根はザ・デスゲーム。でもガチなやつだから主催も参加者も命懸けてる。でもその中でも新たな時代を経た心が裏を暴いていくきっかけになる。あとやっぱりあの引きはズルいって、続き読みたくなるじゃん。

『イクサガミ 地』(再読)

著者:今村 翔吾
出版社・レーベル:講談社文庫
読了日:4月21日

 わかっちゃいた事だけどどいつもこいつも強すぎる! マジで誰が残るんだ⁈ 参加者以外の人物もいっぱい出てくるし、何だったら教科書で名前見た人も出てきちゃった、マジか。この巻の伏線回収ラッシュ? が本当に好きすぎる。これが450Pちょっとに収まってるのが本当に信じられない。大人数戦闘もそれぞれに出番があって知っているはずなのに固唾を飲んでいた。

 本紹介もございます!

『Babel Ⅱ 魔法大国からの断罪』

著者:古宮 九時
イラスト:森沢 晴行
出版社・レーベル:電撃の新文芸
読了日:4月21日

 で、出たぁー! 誰がとは言いませんが人物紹介にいないと思って油断したらバッチリ挿絵貰ってたー! 前巻読んでても心臓に悪い。それにしても今回ホラー展開多くなかった⁈ ってぐらい読んでて悲鳴上げそうになった箇所が多い。あとマジで異世界って常識が違うんだなぁということを突き付けられた。伏線を常識というか前提の違いで上手いこと隠蔽された感じ。これだけだとあれなので楽しい話もしましょう。羽ペンのくだりと王様との遣り取り面白かったです。

★『やがて黒幕へと至る最適解 1』

著者:藤木 わしろ
イラスト:ne-on
出版社・レーベル:HJ文庫
読了日:4月22日

 これはループ改変ガチ勢、未来人だと認めざるを得ない。胸に秘めた思いが強すぎる。計画の方法を振り返ってみると、序盤だけでもここまでシナリオを組み立てるのに想像もできないような努力があったんだなぁと感じてしまう。読み終わってみるとタイトルがダブルミーニングのようにも思えてしまうのは私だけだろうか? 印象的なキャラも多くて公爵周辺の設定も滅茶苦茶好み。

 レビューはこちらの方になります。

★『青春マッチングアプリ』

著者:江ノ島 アビス
イラスト:植田 亮
出版社・レーベル:HJ文庫
読了ポスト日:4月23日

 個人的なマッチングアプリとは少し違ってゴールするまでアフターケアをしてくれてるのかなと思いきやミッションの判定基準がブラックボックス。その中で個々人に委ねられた遣り取りとミッションが達成できるかどうかの緊迫感の綱渡りに常にハラハラさせられた。そういう構図もあってかフィクションで書かれている青春と現実での学園生活が混在しているように見えるのと同時に同じカテゴリに入るはずのこれらが大きく乖離したものなんだということを知らしめてくる。

 レビュー記事はこちらになります。

『大江戸恋情本繁昌記 ~天の地本~』

著者:ゆうき りん
イラスト:AiLeeN
出版社・レーベル:集英社オレンジ文庫
読了ポスト日:4月23日

 江戸時代で本作り……江戸後期辺りの戯作周辺ということもあって事前知識はあったけどそれでも当時の世情も絡み合って凄く面白かった。製作側の熱意というのはいつの時代も変わらないんだなぁと感じた。前半部分の江戸生活パートも現代とのギャップ差もあって楽しかった。ラストもグイグイ引き込まれる風だったしとんでもないもんブッ込まれたから続きも気になって仕方がない。一体何がどうなってんだか……。

『死亡遊戯で飯を食う。 6』

著者:鵜飼 有志
イラスト:ねこめたる
出版社・レーベル:MF文庫J
読了ポスト日:4月25日

 いやぁ~やっばかったです。ゲームも展開も表現もテーマも結末も含めて何もかもが良すぎる。ここに来てこの作品で更に頭を揺さぶられるとは思わなかったゾ! いつの間にかあとがきに辿り着いてしまっていた。もしやこれが心霊現象というやつでは? 小説だから、或いは今までの『死亡遊戯』の歩みがあったからこそ辿り着けた境地なのかもしれない。あと予告も滅茶苦茶気になって仕方がないんでまた7巻でお会いしたいです!

『白き帝国 1 ガトランド炎上』

著者:犬村 小六
イラスト:こたろう
出版社・レーベル:ガガガ文庫
読了ポスト日:4月26日

 完全に本のぶ厚さだけで購入した私が馬鹿みたいに思えるほど重厚なファンタジーでした。1巻もその後も等しく展開が予想できない。何度か相関図を見返す度に新たな発見が生まれるのもそうそうないんじゃないかな? 地の文もまだ具体的な表現を探っている最中なんだけどめっちゃ良いって感じがする。これはみんなで最後まで見届けたいなぁ~。

『古代への情熱 シュリーマン自伝』

著者:シュリーマン
訳者:村田 数之亮
出版社・レーベル:岩波文庫
読了ポスト日:4月28日

 イメージ通りの自伝である箇所もあれば、自伝というより報告書のようなパートもあり。まあ自分がやってきたことのまとめという点で見ればこれもまた自伝の形なのかな? と正当化することもできるけれど幼少期からの夢を現実にしたということの表現の1つのようにも思える。だからこそその2つの側面が1冊の"自伝"として形作られてるのかなぁ。あくまで妄想なんだけれども。

さいごに

 今月は先月に比べて冊数はやや少なかったけどページ数では逆転現象が起きておりました。先月は漫画多かったし今月は鈍器ページ数がある本が多かったのが噛みあった結果かな? 漫画の積読もちょっとだけあるからパパっと読み切ってしまいたい。今月から実験的に外で読む本と家で読む本で併読してるんでそこにうまい具合に滑り込ませたい。

 というか月末疲れすぎて失速気味だったにも関わらず何でこんなに読めたんだろう? 来月もこの調子で積読を減らしていきたい。

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