傍の下で(妄想化学遊戯Lev6)
ある日の深夜、夫々の場所から、創生の地にて・・・。
渚に打ち付ける、波の音が心地良い。その音を聞きながら、眼の前の獲物を見据えたまま、道探と華は話す。
「何か、こうして観ていると、討伐を考え直したくなるよなぁ」
「そうね、確かに・・・ぃ、こんなに景色と合っていると討伐なんて如何でも良くなるわぁ」
2人の前に居る獲物は、後ろの背景が観えるほど身体が透き通り、その輪郭を滑(ぬめ)る様に、時折、虹色の光が走る。その姿は、獲物と言うよりも置物に観える。
「何で、こんなに透明なんだろ~~ぉな」
「さ~~ぁ、外的に狙われないためぇ、それともぉ、獲物を捕らえ易いからぁ・・・、そのどちらとも言えるかなぁ」
「う~~~ん、そうかぁもなぁ、でも、光り過ぎじゃないか・・・ぁ、それだと隠れていない気がするが」
「多分、この光に集まるんじゃない・・・ぃ」
「成程、現に我々も、光の虜になってるもんなぁ」
道探の台詞に華は短く言う。
「だねぇ」
「だが、海老の身体に付いている尖がり帽子って・・・、聖誕祭(クリスマス)を思わせるよなぁ」
その尖がり帽子を縁取るかの様に、虹色の光が走る。それお観て華も言う。
「そうねぇ、本当(ほんと)に聖誕祭の飾り木(クリスマスツリー)ねぇ」
「こいつを生け捕りにして飾るかぁ」
「あはははぁ、黙って大人しくして、くれれば良いけどねぇ」
「む、無理だろうなぁ、はははぁ・・・・はぁ・・、あっ・・真逆(まさか)・・・」
道探は、何かに気付き華を抱き寄せて呪文を掛け始めた。行き成り抱き寄せられた華は、顔を赤くさせ視線を道探に向けて言うが。道探は、前を見据えたまま呪文を唱えている。その状況に華も獲物に視線を移した。
「きゃ、い、行き成り、何するのよぉ・・・・・・、えッ、どぉ、どうし・・・・・・たのぉ・・・」
「身体能力上昇、速力上昇、加速度上昇、ここに、時遅れの法を執行する。執行名、時間差(タイムラグ)」
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