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サイクルに切なさを感じ、感謝する。
もうすぐ2歳にになる娘に、数ヶ月前からお花係をしてもらっている。
最初は娘の教育、知育になるかなと思って娘をお花係に任命したのだ。
小さい鉢に入ってスーパーで売られているビオラなどの花。
4つ買ってお世話していた。
娘はお花のお世話が大好きで、毎日娘なりに気にかけている。
真冬に買った花たちは、寒さに耐えられなかったのか割とすぐに元気がなくなっていった。
それでも娘は毎朝外に出してお日様に当て、夜になり気温が下がると家の中に入れてやる。
時折、お世話中に
「なでなで」 といって優しく花を撫で
「だいじだいじ」といって愛でていた。
一生懸命お世話してるが、お花はしぼみ、いくつかの鉢は葉も枯れている。
キレイな花を咲かせている鉢をお世話した方が喜ぶのでは?と思い私の母にその事を話したら、母が新しく4つ、花の咲いた鉢を買ってきた。
娘はとても喜んでいた。
「かあいいねぇ」と何度も言って嬉しそうに見ていた。
でも私はなんだか複雑な気持ちになった。
先代の鉢達がいたから娘はお花を好きになり、毎日せっせとお世話する習慣もできた。
先代の功績だと思う。
それに、枯れてもなお娘はお世話している。
それを新しく、花を立派に咲かせた見た目の美しい鉢に入れ替えるのはなんだかとても切ない。まるで先代をリストラするかのように感じたのだ。
---先代には、価値がなくなったのだろうか?---
数日の間、心にひっかかった先代達のことを考えていた。
ふと、人間社会に似てるな、と思った。
毎年のように新人が入る、その一方で定年退職等で退職をする人たちがいる。
あぁ、先代たちはリストラじゃなくて、定年退職なのかと思った。
自分のやれるだけのことをやり、組織風土が形成されて、次へ継承し長年に渡り事業を継続させていく。
お花係も同じだ。
先代のお陰で娘の習慣が形成され、その喜ばしい習慣は次のお花によって継承され、娘の人格形成の糧となるだろう。
こう思えた。
だから、先代達には複雑な思いを抱くのではなく、心からお疲れ様、ありがとうと言ってさよならしよう。
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