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ヨミマシタホン

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読書後の感想を何とか文章で書いてみようと奮闘しております。
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#本

ヨミマシタホン No.14

ヨミマシタホン No.14

『祖母姫、ロンドンへ行く!』椹野道流(Fushino Michiru) (小学館: 2023年 1,600円+tax)

久しぶりの読書感想文(ヨミマシタホン)。前回から今まで、本を読んでいないワケではなかったのだが、フルタイムで働いていると…「感想文」を書くジカンを捻出するのがタイヘンで。それで書く気になれなかったのだが…今回は思うことあって短文でも書いておこう、その時思ったことをここに留めてお

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ヨミマシタホン No.13

ヨミマシタホン No.13

『塞王の楯(さいおうのたて』今村翔吾 (集英社: 2021年 2,000円+tax)

2021年下半期 第166回直木賞受賞作、である。
タイトルを見た時、中国が舞台の歴史モノ? と思ったがさにあらず、ごく簡単に言うと戦国時代の石垣を作る職人集団の話、であった。

お城などの石垣、と聞いて、思い出したことがあった。遺跡発掘のアルバイトをしていたときに見た、美濃の辺りの、確か信長が作ったとかいう山

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ヨミマシタホン No.11

ヨミマシタホン No.11

『もう死んでいる十二人の女たちと』パク・ソルメ(Bak Solmay) 斎藤 真理子訳 (白水社 2021年 2,000円+tax)

新聞で紹介されているのを読んで興味を持ち図書館で借りた。どんな風に紹介されていたかは例によって忘れてしまったが、読んで良かったと納得している。

この本は韓国の女性作家が書いた、八本のストーリーから構成されている短編集である。巻末にある解説によると本国で出版されて

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ヨミマシタホン No.9

ヨミマシタホン No.9

『それいけズッコケ三人組』作/那須正幹 絵/前川かずお (ポプラ社 1983年 600円+tax)

今回、noteで開催されている「#読書の秋2021」(締め切り11月30日)に参加してみようと思ったとき、運のないことに11月は忙しい月であった。

この募集には課題図書が設けられている。時間が無くてもその中で比較的にすぐに読めるホン、ということで、児童文学であるこのホンを手に取った。

初版は1

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ヨミマシタホン No.7

ヨミマシタホン No.7

『「文章術のベストセラー 100冊」のポイントを1冊にまとめてみた』by 藤𠮷豊&小川真理子 (日経BP 2021年 1,500円+tax )

まず、別に言わなくてもいいことを言ってしまいますと、タイトルに文章術のと書いてあるにも関わらず、ベストラー小説100冊から、名文と言われている箇所を抜き出して紹介してくれるホン、と勝手に思い込んでいました。

それは違います。

このホンは、文章術を指

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ヨミマシタホン No.4

ヨミマシタホン No.4

『ウルド昆虫記 バッタを倒しにアフリカへ』by 前野 ウルド 浩太郎 (光文社 2020年 1,800円+tax)

この本は、光文社新書『バッタを倒しにアフリカへ』の児童書版だそうです。何故子供向けの本を読んだのかーーー。最近ホンは、ほとんど図書館で借りて読むことが多く(すみません…)、新書のリクエストの数がとても多かった、という理由からです。

それと、どこかの書評で『ウルド』について読んだ時

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ヨミマシタホン No.2

ヨミマシタホン No.2

図書館にリクエストしてから半年ほど待った「心淋し川」(うらさびしがわ)西條奈加さん、第164回直木賞受賞作(2021)をヨミマシタ。

時代設定は江戸時代。表題も含めた短編が六つ、一冊の本に収録されています。それぞれの話は基本独立していますが、茂十(もじゅう)という五十代がらみと思われる男性で長屋の差配(今で言う管理人みたいな?)人は全部の話に出てきます。

長屋、と言いましたが、実は長屋ではない

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ヨミマシタホン No.1

ヨミマシタホン No.1

「窓際のトットちゃん」をやっと読みました。表題のイラストは洒落て英語版タイトルにしていますが読んだのは日本語版です。あの玉葱頭の黒柳徹子さんの小学生の頃のお話、というのは多くの皆さんの知るところだと思います。

語り口は童話のようで読みやすいです。エピソードは楽しいことばかりでなく悲しかったり、へえ〜、ほお・・・っと感心してしまったりするようなモノなど多岐にわたっています。主人公のトットちゃんの、

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