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H a p p a n o U p d a t e s - No.259

2月の葉っぱの坑夫の更新情報です。
・「作曲する女たち」プロジェクト、第5回は、19世紀生まれのマリオン・バウアー(ブーランジェ姉妹と交換教授)と、20世紀生まれのエレン・ターフィ・ツウィリッヒ(音楽には浅いレベル、深いレベル両方必要)の2人です。
・最近思ったこと、考えたこと 
・3月からの連載
・ペーパーバックの本の価格改定について

タイトル画像:"Night on the Galactic Railroad"(1985) by グループ・タック(CC BY 3.0)

作曲する女たち
【小評伝】作曲する女たち(19世紀生まれ)
マリオン・バウアー(ブーランジェ姉妹と交換教授)
【インタビュー】作曲する女たち(20世紀生まれ)
エレン・ターフィ・ツウィリッヒ(音楽には浅いレベル、深いレベル両方必要)

インタビュアー [ブルース・ダフィー] 紹介
「作曲する女たち」プロジェクトについて

評伝はマデリーン・ゴスの"Modern Music-Makers"(New York E.P.Dutton & Company, Inc.、1952年)からの日本語訳 です。500ページの大部の著作から女性作曲家を選びました。
インタビューはブルース・ダフィー(ASCAP・ディームズ・テイラー放送賞を受賞の元ブロードキャスター)のサイトからの抜粋・翻訳です。
(訳・編集:だいこくかずえ)

「希望は大きいが、野心は少なかった」と語るマリオン・バウアーは、結果にこだわらず、淡々と身近なことをこなし、やるべきことに力を尽くして成功した作曲家です。音楽的に恵まれた家庭環境に育ち、周囲の後押しを存分に受けて、苦労の少ない音楽人生を送った人のように見えます。
実際のところはわかりませんが、少なくとも、本人は苦労を苦労と感じない精神とバイタリティを持ち、とんとん拍子に生きたと思える幸せ者だったのでしょう。

勉強のため、ヨーロッパに何度も足を運び、そこでもたくさんの友人知人に恵まれました。作品は当時の女性作曲家への偏見をくつがえし、「女性ながら男性的な大きな枠組みの知性ある作品」と評されました。

エレン・ターフィ・ツウィリッヒは、女性初のピューリッツァー音楽賞の受賞者で、現在も音楽界で活躍中の作曲家です。「自分の作品が演奏されることが最大の報酬」「切り離すのが不可能な方法で思考と感情が結びついているのが音楽」「音楽には浅いレベル、深いレベルの両方が必要」など、ハッとさせられる発言がインタビューの中で光ります。

第5回をもって、「作曲する女たち」の連載は終了します。読んでいただいた方々に、心から感謝の言葉をおくります。

□ 最近思ったこと、考えたこと(happano journal)
02.01/24 湿地文学としての 『ザリガニの鳴くところ』 <湿地は、沼地とは違う>のか?
02.15/24 20世紀の名作『銀河鉄道の夜』 と細野晴臣の音楽世界+ナウシカ騒動ふり返り

『ザリガニ…』『銀河鉄道…』どちらも最近の作品ではないのですが、文庫版が出たところだったり、作曲者のトピックがあがったりと、目に耳についたので書いてみました。

とくに『銀河鉄道…』の方は、1985年とかなり古いアニメ作品ですが、今回サントラを聴いたり、映画を見たりして感動を新たにしました。古い作品が、懐かしさや個人的な思い出からではなく、新たに発見したものによって心動かされるなら、(少なくともその人間にとって)名作の領域に入る瞬間となるのかもしれません。
このサントラをきっかけに、細野晴臣の音楽や音作りにさらなる興味が湧いて、過去のアルバムや著書などを漁っています。

□ 3月からの連載
オオカミと狼伝説』(ウィリアム・J・ロング)を3月13日より、4回にわたって連載します。
アメリカ北東部の荒野を長年にわたって旅した作家が、『赤ずきん』にはじまる「オオカミの恐怖話」のウソを解き明かします。

オオカミと狼伝説 
【その1】 ミネソタの森で
【その2】 アラスカの鉱山技師
【その3】 イタリアの村にて
【その4】 雪嵐の森

□ ペーパーバックの本の価格改定について
2023年9月のアマゾンKDPの印刷コスト値上げにより、紙の本の販売価格を2024年2月に一部変更しました。変更のあった本は以下のものです。

オオカミの生き方
880円(税込)を 1,155円(税込)に変更
スティーヴ・ライヒ 二つのインタビュー
880円(税込)を 1,210円(税込)に変更
レプブリカとグラウの交差点:南米新世代作家コンピレーション(1)
990円(税込)を 1,265円(税込)に変更
動物の森 1999-2001
880円(税込)を 1,133円(税込)に変更

以上です。Kindle版の価格は変わりません。『動物の森』(330円)以外の4冊はすべて550円です。

Web Press 葉っぱの坑夫/エディター大黒和恵/editor@happano.org


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