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アルバム

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アルバムとは………。 ここではSNSなどに投稿した詩歌句などの作品を整理します。いまは作品をまれにしか投稿していないので、思い出した時の更新になりますが、自分でもある程度たどるこ…
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記事一覧

詩96 憂さ

憂さ 風と風の定まらづにゐて 木を数へさせ 空の色を落ち着かせうるさがらせる 風とばかり た…

小倉信夫
2か月前
2

詩95 昼

昼 ゆゑといふさうも紐らしひ 紐と紐のたたまれとほり交はされてゐる所や その波を立ててゐる…

小倉信夫
3か月前
5

詩94 日暮れ

日暮れ ひとより此のひとの言ふことを考へて かなしひと思へる心を発たせられたり ゆゑよりま…

小倉信夫
3か月前
8

詩93 射る

射る わたくしはそれに心を添へ うべなはず失はず 忘れるといふことよりは遠くへ設へ 身のま…

小倉信夫
3か月前
5

詩92 明るさ

明るさ 昼もよひしやう朝の暮れに わたくしに於ひて 此れを時の程とするまま 身にさざなませ…

小倉信夫
4か月前
3

詩91 こしらへる

こしらへる 此所へ静かに日の明るみの笑ふ 物音や人のこゑの うるさひことものどかなことも …

小倉信夫
5か月前
1

詩90 寒さ

寒さ 今にこの陰や日や雲の湿やかさの現れ 昨日にも同じひやうに つまびらかに其の所へ漂つてゐて また明るまづ 目の前になくさうして色合ひをかはかせつつ 寂しくあるこゑの響き方を 森の木に喩へ 空に見られる日のおくり方に喩へ あるひはただ詩を書くひとの 手のひとつひとつの運び方に喩へながら それを閑かさと言ふ表し方で 目に見たり手に触れたり耳に尋ねたり さう扱ふのが 今に適ふと思はれてきてゐる このこゑや言葉に向かふひとの仕草を 明るさや暗さの感じ得方から かうまで時のくりか

詩89 食らふ

食らふ 思はうにもやる瀬なく かう言ふこころのこゑの発ち方や またはそつとした こゑのあら…

小倉信夫
6か月前
3

詩88 かなしさ

かなしさ 日のことを終ふまで 此所を日差しの背景より 色の日によつて手のほとりまで色合ひの…

小倉信夫
6か月前
2

詩87 ひとところにて

ひとところにて 空の青ひ色のあをさまで むなしがり明るみつつ 目にかはくまで このやうに晴…

小倉信夫
7か月前
1

詩86 昨日まで

昨日まで 此所へいつ頃かの線の細さと さういふ輪郭といふものの定かでなひ それを表すなら …

小倉信夫
7か月前
2

詩85 底冷へ

底冷へ このやうにして山なみのある 山なみを見て翌る日の 日の光を整ふともうるさひとも考へ…

小倉信夫
8か月前
2

詩84 話す事

話す事 日が暮れてより時の経つて 安らかに思ほへる官能の 灯の明るさまで かうまでとほく物…

小倉信夫
8か月前
3

詩83 森の秋

森の秋 ことごとのまはりの明るむ姿と 姿形として考へ得なひで手の許へ明るみ また優しく亡んでゐるその言葉の 輪りを囲ふ怪しさや影のなさと思へる位 だう思はうか 中まで在り方の定まらずに なぞらへるばかり問ひ あらためやうと考へ直し 耳の片はらへ仕舞ふまで盛んな反響として いづれとまで優しく佇むやうに思ふ ひとの官能は いたづらに手遊びを学ぶと それをだうもくりかへし 習ひとするうちに憎らしさも失せてしまひ その手遊びをまた諳んじて くちづさむやうに指にてしたため おのづから