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詩87 ひとところにて

ひとところにて

空の青ひ色のあをさまで
むなしがり明るみつつ
目にかはくまで
このやうに晴れて見へるのを
其の時にさへづりの聴こへてきて
まなうらに広ひ
さういふ日の色の漂ふ空を
朝と
朝に連なるけふまでの明日かと思ふ
此の朝はかう見へて
かうあればおほよそこのやうに
空のもとに光景のうつろふだらうと
樹の影の樹とその梢の間からのぞかれ
若しかしたらくれなゐの
わたくしの昨日にゐたらしく又はゐたといふ
日より日の折りたたむ様子を
目の前に仮りそめにある樹の葉の赤さに
諳んじられさはがしく秋として空まで明るひ

/小倉信夫

2023年11月22日


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