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エッセイ

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#カネコアヤノ

一生ついていこうと改めて思った日

ちゃんと自らの判断に責任を持ち、理由を説明すること。その理由にも模索の跡と愛を感じられる。何かを決定する立場にある人は皆こうあってほしい。素晴らしい。「ごめんなさい」なんて言わなくていい。と思わせる言葉の力。「山に篭って集合してきます」と少し軽いユーモアで終わらせることで、ただ重いお知らせとしてではなく、業務連絡ではない自らの言葉として語ることに成功しているし、その心地いい軽さによって人に届く言葉

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日記「カネコアヤノとか最近出会った音楽とかツヴァイのCMとか」

こないだカネコアヤノのライブに行った。カネコアヤノはなんだか光っていて、バンドメンバーに囲まれて歌う彼女が「バンドの正しさよ 恋に似た何かだな」と歌うことのかけがいのなさ。観客は音に合わせて頭を揺らしている。縦に振られた頭は、カネコアヤノのひとつひとつの言葉にうなずいているようにも見えて、光を見つめる目というのは輝くから、それも含めてなんて素敵な場所にいるのだろうと思った。同じ時代に生きていてよか

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光の方へ

「わたしは光をにぎっている」という映画を観た。

映画を見終わってから喫煙所に向かった。新宿武蔵野館。ここの喫煙所はとてもきれいで、椅子まで用意されている。

ぼくが入った後からもう一人入ってきて、隣の椅子に座る。ぼくはポケットからライターを出そうとするが、手には何も触れない。ライターを忘れてしまったらしく、その人に火を借りてタバコを吸った。オイルライターのやわらかい火が心地いい。その人がぼくに話

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自分の美しさ

最果タヒの詩集「夜空は最高密度の青色だ」のあとがきにはこんな一節がある。

世界が美しく見えるのは、あなたが美しいからだ。

最果タヒの詩にはそこまで感銘を受けたことはないのだが、この一節だけが妙に胸に残った。とてもかっこいい言葉だ。

その言葉の前にはこう書いてある。

ふと見た景色や鳥のさえずりや、好きな歌、それらにふっと顔がほころぶ日があったなら、それはきっとあなたの中の何かが響いて、すべて

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肯定はカウンターカルチャーだ!

ちいさな居酒屋で働いている。

仕込み中かけているラジオから流れてきたカネコアヤノの歌声やそのことばに魅了された。

それはその番組にゲストで出てきた時のことで、まだラジオに慣れていないのか少し緊張していた。

二回目のゲストのとき、パーソナリティと交流があったのか、前よりも打ち解けた様子で、自分の話をとつとつと語っていた。

それから昨日三回目のゲスト出演。彼女は自信を持って話している気がした。

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カラオケに行った(1)

今日私は節操のない格好をしている。

下は眉村ちあきのステテコ、シャツはスーパーオーガニズム、バッグはaiko。

全部好きなんだから仕様がない。

仕事終わりにカラオケに行った。久しぶりのひとりカラオケ。眉村ちあきの曲を歌いまくる。
外に出てみると、空が広い。狭い空間から出た後だから、心もカラオケ前より明るくなったから、月が小さかったから、雲が見当たらなかったから。考えれば理由を並べられるけど、

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志賀理江子「ヒューマン・スプリング」

東京都写真美術館に志賀理江子の展示を見に行った。

同じく志賀理江子の展示「螺旋海岸」を見に行ったことを思い出す。夜行バスで仙台まで。とりあえず時間ができたから、当日に慌ててバスのチケットを取って、仙台に向かった。日付を意識していなかったが、その日はクリスマスで、仙台の並木を彩るイルミネーションが異様に綺麗だった。町は冷え込んでいて、時折、コンビニに入って暖をとる。それからまた綺麗な白い光を見なが

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ほめられてる!(眉村ちあき最高って話とか)

 最近自分のことをホメるようにしている。
 たとえば爪切りをなくした時、どこを探しても見つからなくて、自分が悪いのにめちゃくちゃイライラして、それでやっと見つけた時に

「よく見つけたねえ、えらいねえ。」

と頭をなでてホメてあげるのだ。これがとてもいい。ホメられたい欲求を満たしてくれるだけじゃない。何かを可愛がりたい欲求までも満たしてくれるのだ。とても人には見せられないけれど。

 話は変わるが

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