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何度でも読み返したいnote4

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何度でも読み返したいnoteの備忘録です。 こちらの4も記事が100本集まったので、5を作りました。
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#最近の学び

思い上がりの青空に

大変お恥ずかしい話なのだが、今も、両親からお年玉をもらっている。 社会人になってからもずっと。今年も。 四十路を過ぎた娘が、七十代の親からお年玉をもらう。 定収入のある娘が、年金暮らしの親からお年玉をもらう。 都心で気ままに暮らす娘が、地方で慎ましく暮らす親からお年玉をもらう。 どこをどう切り取っても、世間的にアウトなのは明確だ。 毎年、「もういらないよ」と断ろうとするのだが、「いいからいいから」と強引に握らされる。「あげられるうちは、あげたいから」と。 もちろん、もら

愛され上司が、一年目の私に教えてくれたこと

「みてみてお母さん!バラの花だよ。ピンク色で、かわいいねぇ」 「でもほら、トゲがあるからね、刺さると痛いよ〜」 「きゃー、クモの巣だぁ!雨のしずくがきれいだね」 息子との幼稚園からの帰り道は、 寄り道ばかり。 なかなか家に辿りつかない。 けれど、 なんにも予定がない日は、 そうね、そうねと頷いて、 息子の見たいものを、私も一緒に眺めている。 せっかちな私が、 息子との寄り道をゆったり楽しめるようになったのは、 きっとあの時の上司の言葉があったから。 ✴︎ 社会人一年目

楽しくてうれしくて特別な“おそろい”

とっても楽しみにしていた、久々の友達との再会。 友達のこさよちゃんは最後に会ったときよりも強くなってて、しっかりしてて、なによりも自分の子供への愛情に溢れてて、前よりもすごく素敵な女性になっていた。 引っ越しをして心機一転、今の生活が本当に幸せ、って笑っている顔を見れてすごくうれしかった。 あらためてお互いの近況なんかを報告してランチしたあと、2人でふらふらと百貨店をまわったり、スタバへ行ったり、本屋へ行ったりと、ランチだけするつもりだったのに気づけば、私たちはあちこち

帰宅電車の男性と窓の星

夜7時を過ぎて電車に乗ると、 車内は一家の主人であろう男性達が 8割を占めていた。 この世は男性の方が多いと思わされるほどだ。 着込んだ男性4人が対面式ボックス席に 窮屈そうに座っている。 そのうち1人が降りたので、 女1人で混じって座った。 前の男性が考え事でもしているらしく、 目を閉じ眉間にしわを寄せ、何かを数えるように指を折っては、また,数え直して指を折る。 その左手薬指に結婚指輪がはめられている。 50代半ばに見える、ごく普通のおじ様。 周りを見ると、半数ほどの

昨日の微分明日の自分

一言多いひと、は敬遠されがちだが、一文字多いひと、一文字違うひと、は色々なことを考えるきっかけになる。 先日、母から「また病院で〇〇先生に会ったわ、お元気そうだった」とLINEがきた。 わたしが小学校のときの担任の先生にお会いしたらしい。 よく会うね、と返すとこう続いた。 「検診のサークルが一緒なのよ」 定期健診のサイクルが同じだから必然的によく会う、と言いたかったのだと思うが、サークルでも意味は通じる。 病院につどう高齢者同士が「最近あのひと見ないね、具合悪いのか

小さなことでくよくよしたい

くよくよしている。 本当に小さなことで、くよくよしている。 詳しい事情は割愛するけれど、小学三年生の息子が、悔し泣きしながら下校してきた。 話を聞くと、同級生から紙製の棒で頭をペシペシと叩かれることが頻繁にあり、やめて、と言ってもやめてもらえず、もういやだ、という気持ちが爆発したようだった。 かといって、相手の子のことが大嫌いかといえば、そういうわけでもないらしく、ペシペシ叩かれないときは、いっしょに話していて楽しくもあるんだという。 その話を聞いて考える。 わたしは、ど

優しさを渡せる人と受け取る人

カナダのウィニペグは、一番寒い時で気温がマイナス30℃になる。その気候とは裏腹に人が温かい。心はいつもポカポカするから私はこの街が好き。 カナダで優しい人たちと接するようになってから、優しさを「渡せる人」と「受け取る人」についてよく考える。 : 毎年10月の第2月曜日、カナダはサンクスギビング。私たち夫婦は、友人の両親の家に招待された。友人夫婦とその子供たち、友人の両親と私たちで食卓を囲む。 友人パパがじっくり焼いたビーフのブリスケットは、柔らかくてジューシーだった。