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何度でも読み返したいnote3

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何度でも読み返したいnoteの備忘録です。こちらの3も記事が100本集まったので、4を作りました。
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#毎日note

カフェで充電器を貸した話

カフェで作業していると知らないお兄さんに声をかけられた。端の端のそのまた端とはいえ、芸能界に所属している身。数少ないメディア出演を見てくれたのだろう。ありがたいことだ。最大限の感謝と愛情を会釈に込める。だがそんなお兄さんが発したのは予想外の一言だった。 「iPhoneの充電器貸してくれませんか?」 聞けば、携帯の充電が0パーセントになってしまい困っているとのこと。嫌な感じの人でもなかったし、なにより不意打ちの展開に動揺していた僕は「いいですよ!」と二つ返事で充電器の貸し出

私はあなたのいない世界で幸せに生きていきますので、あなたもお幸せに。

ふと、考えるときがある。 もう会うことはない、私の人生を通り過ぎていった人のこと。 その人達は好きな人もいれば嫌いな人もいる。 小学生の時に憧れていた近所のお兄ちゃん。 中学生の時に毛嫌いしていた社会科の先生。 高校生の時に私をいじめようとして自滅したあの子。 大学生の時になんとなく付き合ってしまった美容師の彼。 すごく大切で、それがずっと続くものだと思い込んでいたあの人。 良くも悪くも色々な思い入れのある人や、特にそんなに深い思い出もないのに、ふとした時によみがえるもう

好きな食べ物はなんですか?そう聞かれて気づいたこと〜一人ぼっちなんかじゃなかった、充分愛されていた〜

昨日、ランチ後の何気ない会話の中で 「好きな食べ物はなんですか?」 そう聞かれて、一瞬言葉に詰まった。 しばらく考えて、 「そうですね、なんでも食べられるし、大好物というとぱっと思いつかないけど、強いて言えば、人と食べるゴハンが好きですね」 口をついて出たこの言葉。 午後になってふと蘇ってきた記憶があった。 すでに定年している父。 現役の頃、会社から昼食補助として、オフィス近隣のレストランで使用できる食事券が支給されていた。 父はお弁当を持参するなどして、そ

いつでも早く家に帰りたい私の処世術

会社に着いた瞬間から「ああ、早く家に帰りたい」と思っている。 私は毎日そんなことを考えている不真面目会社員であるが、会社ではそれなりに評価されているほうだと思う。だからやりたいことをやらせてもらえるし、堂々と意見が言える。 「自由にしたかったら偏差値の高い高校へ行け」と同じ理論である。校則がなかったり、髪を染めてもOK、ピアスOKの学校は、多くの場合偏差値が高い。 自分のしたいようにしたかったら、それ相応の成果を出し、指示を受けるだけでなく自分でコントロールできるように

私はビールが大好きだ

なんだかシャキッとしない。 かといって思い当たることも特にない。 そんなときはキンキンに冷えたビールを飲むことにしている。 ビールと一緒に憂鬱も流し込んでしまえば大体のことはどうにかなるので、私の冷蔵庫の中にはいつもビールがストックされている。 ♦︎ いつからだろう。ビールの味が好きになったのは。 覚えている限り、お酒が飲める年齢になってからもしばらくの間は美味しいと思っていなかったはずだ。あの頃はビールも日本酒も美味しいとは思えずに、ジュースのように甘いカクテルばかり

非常にタンゴな「ヘンタンゲ〜」の謎

山手線の車内。 程々に混み合う時間だったが、私はたまたま端っこの座席をゲットできた。 乗車時間が長かったこともあり、ゆっくり座ってウトウトとしていたのだが、眠りを誘うような車内のほどよい雑音の中、私の耳はある単語をキャッチした。 ザワザワ.... 「ヘンタンゲ〜〇〇」 「ハハハ」 ガヤガヤ.... 「ヘンタンゲ〜〇〇」 「アー!ヘンタンゲ〜〇〇!」 ヘンタンゲ? なにやら聞いたことのない単語が聞こえてきて、目を開けると、ちょうど私の前に立っていた男性二人が仲良く