見出し画像

本当に食事のせい?どうして中高年になったらコレステロール値が上がるの?


皆さん、こんにちは。
今日はコレステロールのお話をしようと思います。

皆さんはコレステロールを気にされたことはありますか?
20〜30代くらいまではコレステロールというより
体型・体重のほうが気になるのではないでしょうか?

ところが中高年、特に50代になる頃には多くの方がコレステロール値が高いことを指摘されてしまいます。

「確かに運動量も筋肉量も落ちた、代謝も悪くなってるとは思う。
だけど、昔に比べたら全然食べてないよ?」
そうおっしゃる方、非常に多いです。

ですよね、そうだと思います!

だって、コレステロールが高くなるのって食事のせいだけじゃないから。

実は食事の影響は20%程度って報告されているんです。
じゃあ残り80%はどこからきているのでしょうか?

実は・・・

肝臓が作っているんです!!


「ちょっと待ってよ〜!
肝臓よ〜、勝手に作りすぎないでよ〜!!」

そう思ったアナタ
はい、それ半分正解です。

どうして半分なのか、これからご説明しますね。


そもそもなぜ肝臓はコレステロールを作り出すのでしょうか?

実は、悪者扱いされているコレステロールですが
私たちの体には欠かせないものなんです。

細胞膜や各種ホルモン、消化吸収に必要な胆汁・・・
それらはコレステロールを原料に作られているんです。
だから肝臓はせっせとコレステロールを作ってくれているんですね。

30代くらいまでは肝臓が作ってくれたコレステロールを
ありがたくどんどん使わせてもらっていました。

ところが出産適齢期(男性も含め)を過ぎた40代くらいから
もうそれほど女性ホルモンや男性ホルモンを必要としなくなります。
それで体は性ホルモンを作る量を減らしていくんですね。
また徐々に代謝も落ちてくるので細胞分裂のほうもペースが落ちます。

するとどうでしょう?
せっかく作ってくれたコレステロール、使いきれません!
過剰在庫です!!

肝臓さん、そんなに作らなくていいよぉ〜。


こんな状態になっていたんですね・・・


では、どうしましょうか?

病院でまず指導されるのは食事と運動です。
脂肪の多い食品や魚卵などは摂りすぎないように気をつけること。
そして有酸素運動。
特にウォーキングでコレステロールが改善することが報告されています。
運動すると成長ホルモンが出て、新陳代謝も上がりますし
男性ホルモンの生成も促されます。


でも、ここまで読んでくださった方は
それだけでちゃんと下がるの?って不安になられたのではないでしょうか。

そうなんです。
皆さん、けっこう真面目に生活改善に取り組んでくださるんですけど
劇的な効果ってなかなか出にくいんですよね。
なんてったって肝臓さんが頑張っちゃってるから。

なのでここでお薬が出てくるんです。
コレステロールの薬には、
①肝臓でのコレステロール合成を抑える薬
②食事からのコレステロール吸収を抑える薬
があります。

さて、どちらが多く使われると思いますか?

①と思った方



大正解!
しっかり読んで下さってありがとうございます。
あなたは今日からレベルアップしました!
コレステロールを知る男(女)に格上げです✨


②と思った方



申し訳ございませんでした_| ̄|○
私の説明がわかりにくかったかもしれません。
80%は「肝臓での合成」が影響しているので
正解は①でした。


というわけで、
コレステロールで指摘を受けた方、
決してアタナが怠惰な生活を送っていたわけではないと言うことを
われわれ医療従事者は承知しております。
ただ、治療方針として、
「まずは生活習慣を見直し、改善が見られなかったら薬物療法」
という基準のため
薬を開始する前に食事や運動について指導しなければならないのです。
お気に触ったらごめんなさいね。

ちなみに私が大変お世話になった70代の院長先生も
コレステロールの薬を飲み、毎朝 診察前にウォーキングをされていました。


あと、重要なことを言い忘れました。
遺伝の要素、けっこう大きいです!
ご両親のコレステロール値が高い方、
心づもりをなさっておいたほうがいいと思います。



皆がたどる道なので、上手に付き合っていきましょうね。


ここまでお読みくださり、ありがとうございました。