HaniwART はにブログ       埴輪とアーティスト

埴輪をアートして評価する姿勢は、はにわ協会の専売特許ではありません。多くの芸術家・批評家たちが埴輪の美に魅了されてきました。例を挙げれば、イサムノグチ、土門拳、前田青邨、鳥海青児、川端康成、小林秀雄、白洲正子など・・・・、錚々たる人々の名が浮かびます。鋭い審美眼や豊かな感性を有している芸術家たちが、技術的には決して高度ではない埴輪の中に、高い芸術性を見出したのです。
 
世界的な彫刻家であったイサムノグチは「埴輪のような素晴らしい物があるのに、日本人はなぜ過去に学ばないのか」というような趣旨のことを述べています。そして、埴輪に触発されたと思われるテラコッタや陶制の作品を残していますし、埴輪を購入までしています。

埴輪にインスパイアされたアーティストの作品


 
芸術家たちは埴輪の何処に魅力を感じたのでしょう。これらの芸術家たちに共通する点を探してみると、日本の伝統美をテーマにしたり、そこから触発された作品や評論を多く残していることに気が付きます。彼らは、埴輪の中に日本美の原点とでもいうべきものを見出し、魅了されたのかもしれません。素材と質感、単純化された、丸みを帯びた造形。感受性豊かな芸術家たちは、そこに日本美の原点、あるいは古くから日本に通底する美を見出したのではないでしょうか。
 
鋭い美意識・審美眼を持つ芸術家たちが埴輪の中に美を見出し魅せられたこと、埴輪が創造の糧となったことは、アートとしての埴輪の魅力を端的に示していると言えるでしょう。


 
 

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