日本はにわ協会HaniwART

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HaniwART はにブログ       埴輪とアーティスト

埴輪をアートして評価する姿勢は、はにわ協会の専売特許ではありません。多くの芸術家・批評家たちが埴輪の美に魅了されてきました。例を挙げれば、イサムノグチ、土門拳、前田青邨、鳥海青児、川端康成、小林秀雄、白洲正子など・・・・、錚々たる人々の名が浮かびます。鋭い審美眼や豊かな感性を有している芸術家たちが、技術的には決して高度ではない埴輪の中に、高い芸術性を見出したのです。 世界的な彫刻家であったイサムノグチは「埴輪のような素晴らしい物があるのに、日本人はなぜ過去に学ばないのか」

    • HaniwART はにブログ                                                    埴輪を愛でる美意識

      古墳時代の遺物である埴輪は、専ら歴史資料・学術資料として扱われてきましたが、芸術的・美的視点からみれば、他にはない特徴と魅力を備えたユニークな造形物であり、独自の美を持つアートであるとも言えるでしょう。 土を焼いてつくった古代の大きな造形物には、中国の兵馬俑やヨーロッパのテラコッタ彫刻などがあります。何れも写実的で精巧なつくりであり、人や馬をリアルに表現しています。それらに比べると埴輪は単純・素朴で、視覚的印象はだいぶ異なります。 技術的に高度なもの・精巧なもの・

      • HaniwART はにブログ           埴輪のキュレーション

        埴輪を美術/アートとして見るとは、どういうことでしょう。例えば、かつては信仰の対象であったであろう古代の神像や寺院にあった仏像も、今は美術館/博物館に展示され、彫刻作品として鑑賞されています。モノとしての実体は変わりませんが、時代や受け手次第で、意味や価値が変わるということですね。受け手が見ることによって、美術/アートになると言えるかもしれません。 古墳時代の遺物である埴輪は、専ら歴史資料として扱われてきましたが、美的視点/現代的視点から見れば、独自の造形美と芸術性を

        • HaniwART はにブログ           はじめに        

          「これが美だ」というようなもの、あるいは「アートとは何か」についての明確な答えなどあろうはずもありません。美とは多数決で、あるいは評論家がいいと言ったから、または値段が高いから・・・などで決まるものではありません。何を美しいかと感じるかは人それぞれです。 一方、「美は発見するものである」という言葉があります。これまでとは違った視点・視座から、既成概念から離れてモノを見るとき、新たな「美」の発見があるかもしれません。それまでアートと思われていなかったモノに、美や芸術的価

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