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笑うって、すごい

ここ数日、ちょっと靄がかかったような日々だった。

もう、全部ヘルペスのせい。
そして、あいつの登壇を許してしまった自分のせい。
自分のせい、って思ってるから、あいつがきちゃったんじゃないか。
もう、堂々巡り。
だから、ヘルペスって嫌い。
もう、全部ヘルペスのせい。

近年稀に見る大きさまで成長してしまってはいるけれど、日に日に収束に向かっている。
水ぶくれのような状態から、いまはカサブタになって、あとは剥がれてゆくのを待つだけだ(かゆいけど)。

それでも、下唇に何かをぶらさげているような、違和感は消えない。
しかたない、しかたないことはわかっている。

同居人は、気にして声をかけてきてくれるけど、わたしは不機嫌だ。
「唇の調子、どう?」と言われても
「かゆいわよ!」と返す有様…
気にかけてくれているのに、ひどすぎる。

唇も大変に荒れまくって、気分も良くない。
ネットの情報でも「保湿してね」って書いてあった。
ヘルペスはもうカサブタになっているし、わたしは意を決して唇のパックをすることにした。

(唇の荒れで悩んでいる方は、このシリーズおすすめです。永遠に使ってる)
(顔のパックって、なんで口開いてるの? 口も保湿したい。というあなたにも)

唇のパックは、いつでもわたしを守ってくれる。
絶対に、「元より良い」状態に、持っていってくれる。
パックを外して、わたしは深く息をついた。

そして、大きく口を開ける。
カサブタがピリリと傷んだけど、大したことはない。
そのまま、口をぱくぱくと動かしてみる。
そうして、「こんなに口を動かしたのは久しぶりかもしれない」と気づいた。

そうだ、わたしはここ数日「口を開けて笑っていなかった」んだ。

だって痛いしテンション下がるし、もう全然だめだと思ったら、そりゃあ当然笑わないんだろうけど。
うまくいかないことなんて、たくさんある。
できるだけ、同居人に当たり散らしたくはない(できるだけ)

だから、わたしは嘘でも笑っていた。
へらへらしていた。
唇をのはしをあげて、陽気な声で笑ったり、歌ったりしていた。

そういうことで、自分を守っていたんだ。
わたしはばかだし単純だから、きちんと騙される。
笑っている自分は、元気だと。
むりをしなくても、そういうふうに錯覚してゆく。
そうやって、元気になってきたじゃないか。

たのしいから笑うんじゃない。

もちろん、たのしいから笑うっていうのは、純然たる正義だけど。
それだけじゃない。
自分の元気な声に、目の前で笑ってくれる人の顔に、後押しされて、
わたしは、心の栄養を蓄えてゆく。

いつでも笑え、とか
むりして笑え、とか
笑えないやつは悪だ、なんて
もちろん言わないけど
もし、心のはじに余裕があるならば、
笑ってみることが、後押しになるかもしれない。

数日、笑えなかったことを経て
わたしはばかみたいに「笑うってすごいな」ということを、噛み締めている。




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