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冬のあたたかさ

ぐんと、寒くなったと思う。

「寒くなったね」と言ったら、
「ずっと秋ではいられないからね」と、当たり前のことを言われた。
当たり前のこと、というのは
どうしてこんなに腑に落ちて
なぜかほんの少しだけ、寂しい。


もうすぐ、部屋の中で過ごすのも苦しいような、そんな季節がやってくる。

いまは、「あたたかい格好をしよう」と意識さえしていれば、比較的快適に過ごせるのだけれど
そんな意識を越えて、底冷えするような季節は、必ず来る。
思うだけで気が滅入ってしまうような、絶望的な寒さ。


ガス代が上がったのは、ここ1ヶ月たくさんお茶を飲むようになったからだと思う。

夏のあいだは、延々と麦茶を冷蔵庫に常備して、それで過ごしていたけれど
最近は朝、ティーポットにたっぷりのお茶を淹れる。
あたたかい紅茶、ハーブティー。
それを1日かけてゆっくり飲むし、日によっては夕方以降にもう1度たっぷりと淹れる。
いつもわたしのマグカップとティーポットは、透明な紅色に、満たされている。


ある日のわたしのメモに、こんなことが書いてあった。

あたたかい紅茶でご機嫌になれるのは、冬の特権だね。

「冷たい」は、夏にも冬にもあるけれど
「あたたかい」というのは、暑い季節には、なかなか感じることができない。


わたしは今日も、あたたかい紅茶を飲みながら
そうしてそれが、次第に冷めてゆく様子もいとおしみながら
冬の訪れを、愛している。




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