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D級コーチライセンス取得までの道のり(本番編)

前回までのすじ

受講の動機はこちらです。

受講の決意から受講決定までの道のりはこちらです。(導入編)

持ち物確認、ヨシ?

いよいよ講習会前日
受講案内に書いてある持ち物は下記のとおりです。

①筆記用具 ②飲料、食事等 ③実技ができる服装(サッカーシューズ) ④ボール ⑤マスク
スパイクは取替式不可、ボールは4号球も可、長ズボンかレガースを着用

※ボールは協会によっては不要のところもあるようです。

スパイク、レガーズとボールは云十年ぶりの出番。
久々にスパイクの入った箱を開けると…あっ!

靴底が崩壊してる

(画像はグロいので載せません)

そういえば革靴で似たようなことがあったな。
歩き出したら底が溶解しててえらい目に…

仕方ないので靴はいつも履いているやつで我慢するしかない。

食事は当日朝に調達するので準備はこれで良し。


講習会スタート

1日目の午前中は日産スタジアムの一室で講義スタート
講師はマリノスの育成部門にいらっしゃる方です。

今回は実技の会場が少し離れたところにあるので、
通常のタイムテーブルと違って1日目の実技を午後に固めています。

これが後々大きく響いてくるとは知る由もありませんでした…

午前中はJFAの理念、サッカーの競技精神、子供たちのサッカー、GKや女子サッカーについてなど
「そもそもサッカーとはどういうゲームなのか」というイロハのイから始まります。

4種(小学生)の指導者だと始めてサッカーと触れ合う子どもたちに接することが多いですから、
そういった内容も説明できなければいけません。

動画やパワポを使った説明のほか、受講生でグループを組んで
ディスカッションなども行われました。

※教材はSNSにUP厳禁なのでお見せできません。


実技をなめてはいけない

1日目午後はいよいよ実技です。

過去に講習会を受けた方のブログによると、実技は
「何とか乗り切った」「いい汗をかいた」など感想は様々。
脱落者続々などという悲劇的な情報はないので、
普段軽く体を動かしている自分ならまあ何とかなるだろうと思っていました。

「実技の前の昼食は軽めのほうが良い」のアドバイスに従い、
おにぎり2個で済ませました。

グランドに出ると、まず年齢で2グループに分けます。

年配の人間は自分くらいかと思えば意外とそうでもなく、
43歳を境に人数が二分される感じでした。
60代の女性の方もいらっしゃいました。

ボールを使ったウォーミングアップが始まったのですが…

あれ?
ウォーミングアップでも
結構きつくね?

さすがに云十年のブランクは誤魔化し切れなかったか…
とはいえ、同じような年齢の方は普通にこなしているので、
やはり普段現場に出て指導している方は違うなと。

いよいよ6分間×4本のミニゲームを開始。

しかし1本終えた時点で…

ペース

不本意ながら、2本目以降はペース配分に細心の注意を…

なんとか4本やり切って、休憩時間に雑談していたところ

 うっ…

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大変不覚ながら、戻してしまいました…
お食事中の方、大変失礼いたしました。

※この時点で参加者の皆様は私を特定できたはずです(笑)

なるほどなあ、走り込みでリバースするというのはこういう感触なのかと
妙なところで感心してしまいました(そういう体験なかったので)

講師の方をはじめ「大丈夫ですか?」と声をかけられる始末
ご心配をおかけいたしました。

が、ここで実技をリタイヤするようなことはせず、
パス、ドリブル、シュート練習も死んだような顔でやりきりました…
技術は並の小学生以下ですが。

3時間の実技、なんとか終了

こんな書き方をすると受講を尻込みする方が出るかもしれませんが、
普通に運動習慣のある方ならここまで悲惨なことにはならないかと思いますので安心してください。

2日目はすんなり来なかった

さて1日目は無事終了しましたが、2日目が100%確実に開催される保証はありません。
いやいや心配性も度が過ぎると言われそうですが…


19時6分。

ポーン ポーン ポーン
テロンテロン♪ テロンテロン♪

緊急地震速報

うええっ!ウソやん!!
これで明日中止になったら今日の苦労は何だったんだあああ!!!

身を守るより先にそっちのことばかり気になってしまいました。

幸い横浜では大したことなく(震度2)、何の影響もありませんでしたが…

しかし油断するのはまだ早かった!

トップチームスタッフの新型コロナウイルス感染症 Reactive判定のお知らせ

アカデミーの方と接点がないとは言い切れないよね…と心配しながら読んだところ、幸い濃厚接触者はいないとのことで、こちらも開催には支障なし。

どうしてこう次から次へとびっくり箱の蓋が開くんだか…


ワインレッドの動悸

2日目は実技から

ウォーミングアップ→ゲームで1時間

昨日の教訓を生かし?飛ばしすぎずにほどほどに…
最後のゲームを終えたときには「う~んもっとやりたかったかな」感(本当よ)

何しろ久々のボールを蹴る機会だし、今度いつ蹴れるかもわからないし
(家でリフティング程度はするけど)

自分のボールを回収し、よく見ると表皮がところどころ剥がれていました

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(自宅にて撮影)

結構古いボールだったからなあ…
最後にライセンス取得のために大役を果たしてくれた俺のボール、ありがとう!


再び座学に戻ります。

まずは大人のかかわり。子供との接し方です。

同じグループの人のエピソードで印象的だったのが、
上手な子が下手な子をdisっているのに対して、コーチがかけた言葉が

「○○、それでいいの?」

頭ごなしに否定をすると子どもは拗ねてしまうか、従っても心の底では納得しない、
あえて問いかける形で、その子に自身の行為を考えさせるきっかけを作る。
なるほど声かけというのはこうして行うのかと参考になる事例でした。

昼飯は昨日と同じくおにぎり2つ
ちょっと腹に入らないかなと思いつつ、時間差で流し込みました。

午後の座学は実技振り返り・メディカルと進んでいくうちに

あれっ?

なんか具合がおかしい

昔、赤ワインを飲みすぎて悪酔いして京急の車内で顔面蒼白になったことがあるんですが、その時の感覚に近い。
手足の先は冷えてくるし。動悸はするし。

昼食におにぎりを無理やり流し込んだのがまずかったか?
よりによってメディカルの講義を聞いている最中に倒れたらシャレにならん。

実技を乗り越えたから、もう体は大丈夫かと思ったのに
よもやまたリバースしてしまうようなことはないと思うけど…

こんなところでリタイアできない。
もうちょっとで終わりなんだから、頑張れ、俺!

必死の形相で教材の動画を見つめていましたが、
幸い、試験までに容体は落ち着いてきました。

よし!よく頑張った。

そういえば、以前の講習ではAEDの実技を受けた方もいらっしゃったようですが、今回はありませんでした。
今年から講習内容が結構変わったと講師の方がおっしゃってたのでその関係か、はたまたコロナの影響で接触を伴う実技がNGなのか…


横浜の借りは、横浜で返す。

ペーパーテスト。
問題自体は簡単です。

出題個所は講義の際に事前に強調してくれます。
昔、会社で受けた陸特無線技士三級の試験に近いノリでしたね。

ただし、自分の考えを書かなければいけない問題もあるので、
自分なりの指導者像というのは持っておいたほうがいいです。

その場でチャチャッと答え合わせをして、閉講ガイダンスへ
合格点に達しない人は追試があると聞いていましたが、
今回は追試まで行った人はいませんでした。

閉講ガイダンスでは、指導者としての登録料の支払いや今後の更新手続きについて説明がありました。
D級は年1回の登録料を支払えば、リフレッシュ講習等受けなくても失効しません。

また、今回取得したライセンスは、厳密には2021年1月1日より有効となります。
これまでの人生で一番めでたい正月を迎えられそうです。

そしていよいよ
修了証贈呈

最後は講師の方とグータッチしてめでたく修了です。


個人的には、生まれ育ったこの横浜の地でライセンスが取れたというのがとても意義深いことだと思っています。
幼いころから、この町ではサッカーとまともにかかわることが出来なかった。
そのモヤモヤを、ようやくここで晴らすことが出来た思いです。

サッカーの楽しさを

多くの受講者の方にとっては、実技を含め卒なくこなせる内容だったと思いますが、
私にとっては当初の予想以上に壮絶な受講となってしまいました。

若いころの自分なら、もう少し動けたかな(笑)

ちょっと前の自分なら、この程度の実技でなんて情けない、と
自己嫌悪に陥っていたかもしれませんが、
今回は不思議とネガティブな感情は沸いてきませんでした。

例えばボールを受ける際は、味方と相手の位置を見てパスコースを作って…
そういうことをハッキリ意識しながらプレーしたのは初めてでした。

残念ながらまったく体がついていけませんでしたが、
これでもっときちんと動ければ、これほど楽しいことはないだろうと。
そういう気づきがあっただけでも非常に前向きな気持ちになれました。

4種の指導者にとって一番大切なことは、サッカーの楽しさを伝えることです。
そのための感触を掴めただけでも、大きな収穫だったと思います。


先ほどの60代女性の方に聞いた話なのですが、学校で指導している中学生の部員に
「どうしてサッカーをやっているのか」と聞いても「さぁ…」という感じで反応が鈍いそうです。

別にプロになりたいなどと大上段に構えなくても「好きだから」で十分だと思うんですが、それすらパッと出てこないというのには驚きとともに一抹の寂しさを覚えました。
それとも今の指導の現場では「好きだから」と言ってはいけない空気でも流れているのでしょうか。

我々の世代と比べると、最近は親の進めるがままにサッカーを「習い事として」「やらされている」子どもが格段に増えていると聞きますが、それを裏付けるような話です。
中学生になっても、惰性で続けているということなのでしょうかねえ…

例え親の勧めで始めたのだとしても、そういう子どももひっくるめてサッカーの楽しさを伝えていく、
そうした指導者が特に4種ではこれからますます必要になってくるのだと確信しました。

自分にとってライセンスの取得は出発点にすぎません。
これからもサッカーというものを、生涯学び続けていきたいと思います。

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