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ニッパツ三ッ沢球技場の屋根は、無事に設置されるのか?

8月22日の横浜市長選挙。
8人の候補が乱立し、誰も法定得票数(有効票の4分の1以上)に達せず再選挙の可能性もあるのではないかとまでささやかれました。
が、ふたを開ければ新人の山中候補が他を圧倒、投票所締め切りの20時と同時に当選確実が打たれるほどの勢いでした。

IR誘致の是非とコロナ対策が主な争点となった選挙でしたが、
今回私が懸念しているのは全く別のところにあります。

すなわち林市長の任期内に検討が開始された
「ニッパツ三ツ沢球技場に屋根を付ける」案件が、
新市長のもとに反故にされてしまわないか、ということを恐れているのです。

※最新の検討結果では、屋根だけの後付けは困難で大規模改修が必要との見方が出ており、
情勢はさらに厳しくなっていると言わざるを得ません。

考えすぎと思われる向きもあるかもしれませんが、それにはまず山中候補の支援者について知る必要があります。


山中氏を支援した「ハマのドン」の素性

山中氏の支持母体として、立民推薦、社民・共産のほかにもう一つ忘れてならないのが、ハマのドンこと藤木幸夫氏です。

横浜の港湾畑に圧倒的な影響力を持ち、近年は横浜市のIR誘致反対派の急先鋒としてご存じの方も多いのではないかと思います。
その藤木氏は今回の選挙で「より確実なIR反対候補」を求めて山中氏についたのでしょう。
得票2位の小此木氏もIR横浜誘致反対を掲げてはいましたが、もともと菅首相とは深い関係のある家柄であり、今回落選した林氏同様、当選後にIR誘致に翻意するのでないかという疑念が払拭できなかったことと思われます。

しかし今回問題にしたいのはIRではなく、藤木氏のスポーツに対する姿勢についてです。

この方、実は野球以外のスポーツ、特にサッカーに対してヘイトともとれる発言を連発しているのです。
しかも公共の場で。

例えば、野球大会の来賓あいさつで
「サッカーはヨーロッパが植民地支配のために広めた」
という趣旨の発言を平然とおこなってしまうのです。

もうひとつ、全国各地のスタジアム案件にはことごとく反対ののろしを上げる政党が支援についているのも見逃せません。
近年ではサンガスタジアム(亀岡市)をめぐる動きが記憶に新しいところです。
京都は伝統的に当該政党の勢力が比較的強いところなので、一時は本気で心配しました。

取り越し苦労だと笑って済ませられればそれに越したことはありませんが、このような錚々たる支援者の元、山中新市長がニッパツ三ッ沢球技場の改修を撤回する可能性は、ゼロではないのではないでしょうか。

首長の交代その他で事業の進捗に影響が出た事案など、全国にも山ほどあります。
国政レベルでは、あの新国立競技場でさえ、五輪後の球技場化の約束が反故にされようとしています。

明るい材料としては、山中候補本人は元ラガーマンで、球技場の環境整備に関しては思うところもあるでしょう。
しかし屋根設置の件はもともとサッカー側から言い出したことなので、それをどう感じているかは知る由もありません。

「政治は無関係」では何も生まない

横浜市は、単独ではJクラブを日本で最多の3つ抱える自治体です。
その横浜市で、サッカーを「憎んでいる」とさえ言える人物の支援する候補が市長選に当選した。
サッカーファミリーを自認する横浜市民は、政治は無関係と突き放すことなく、この事実を重く受け止める必要があると思います。

三ッ沢の屋根設置の件だけではありません。

例えば上瀬谷にグラウンド整備を要望した件などは、まだ具体的な検討に取り掛かってないだけにさらに悲観的な結末が待っているかもしれません。

横浜サッカー協会「上瀬谷にグラウンドを」林市長に陳情書

横浜に限らず、草サッカーレベルのグラウンド確保が難しいのは首都圏共通の問題だと思います。
こうした現状に次期市政が果たしてどれだけ向き合う気持ちがあるのか注視していかねばなりませんし、我々サッカーファミリーも積極的にアピールしていかなければいけません。

気に入った候補者がいなくても、せめて投票には行きましょう。
サッカーファミリーの投票率自体が上がることが肝心です。
でないと「票田」としてみなされず、未来の候補者の擁立や公約にも反映されないからです。

反例として挙げられるのは埼玉県知事選でしょうか。
落選した候補が、選挙期間中に浦和レッズをはじめとする地元プロスポーツ(プロ野球も含む)に対して、無知からくる言動を連発したことが多くの有権者の反感を買ったのは記憶に新しいところです。

得られるものを得られるかどうか、それは地域政治への関心の度合いで決まると言えるでしょう。

【参考】
区別得票数(NHK選挙WEB)
山中氏は港湾に縁の深いハマのドンの支援とは裏腹に、内陸の新興住宅地で票を伸ばしました。
これは小此木氏の主な地盤が横浜市の旧市街地であることも関連していると思います。

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