【学級経営】ステレオタイプの恐怖。
子どもの夏期講習へ着いていったJUNです!
自分で支援塾的な活動をしておきながら、僕自身は塾へ通ったことはないのです。もちろん我が子と共に見学や体験はあるのですが、いつ言っても興味深いです!
なぜ塾へ行かなかったかというと、単純に「塾がなかった。」のですよね。何せ田舎暮らしだったので、習い事がかなり限られていまして、学習塾に行くなんていう選択肢を考えたことがありませんでした。
田舎と言えども全くなかったわけではないのですが、僕の小学生時代は、
「塾と言えば、学校で身についていない学習の補填。」
という「ステレオタイプ」が少なからずありました。
現代っ子が通うような、学校以上の学力をつけるような場所というイメージではなかったことを覚えています。
本日の記事では、そのような「ステレオタイプ」について話題としたいと思います。
あなたは、聞いたことありますか「ステレオタイプ」? 簡単に言うと、「思い込み」です。きっと、どこぞで聞いたことがあると思うので、詳しい説明ははぶきます。
ステレオタイプは、様々な範囲で起きます。男女や人種と言ったとても大きなカテゴリーで起きる場合もあれば、小学校の一教室という小さな規模でも生まれます。
そんな情報を集めていた時に、ふと「学級崩壊」という問題も、ステレオタイプが根底にあるのではと考えが及び、ここで記事化しておくことにしました。
▶ステレオタイプの脅威。
ステレオタイプの怖さは、知らず知らずのうちに潜んでいるということと、その効果の絶大さによります。
例えば、男女で言うと、
「女子の方が数学が苦手だ。」
という有名なステレオタイプがあります。
実際に、その情報を与えられた状態でテストを受けると、
「数学で非常に優秀な成績を収めてきた女性の点数が下がる。」
という結果が出るくらい強烈なのです!
▶小学校版ステレオタイプの脅威。
では、このステレオタイプが小学校の一教室においてどのような影響を与えるのでしょうか。
それは、
「規範意識の成立。」
から生まれます。
新しい子どもたちが集まり、新しい環境により学級がスタート。
最初は、100%素の自分を出すことなく様子を伺っている子どもたち。
そして時が経ち、次第に緊張がほぐれてくる教室。
朗らかな雰囲気とは裏腹に、「教室内の当たり前」が決定してきます。
「勉強が得意、不得意。」
「失敗は怖い。」
「自分の意見を主張しすぎてはいけない。」
というように、教師が示していないにも関わらず「子どもたちの関係性」の中から、
「僕たちの教室の規範。」
が生まれるのです。
僕も過去にこのような「子どもたちが作り出した規範」を処理できず、大分痛手をおったことがあるのですが、中でも大やけどしたのは、
「目立つことは悪。」
というステレオタイプです。
「協調性最高」とか「遠慮の美徳」などなど、日本人ならではのステレオタイプも起因しているとも思うのですが、
「個人の主張は悪。」
というステレオタイプが蔓延した状態で受け持った学級がありました。
そのようになった原因は様々なのですが、受け持った担任としては今更原因を追究しても何ともなりません。その状態から前に進むしか選択肢はないのですから。
しかし、結果は残酷でした。一年間担任しても解きほぐせなかった「ステレオタイプ」。完全に僕の実力不足としか言えません。
とにかく、
「問いかけても無反応。」
という状態は、僕にとっては「死の宣告」でした。
子どもたちとわいわい楽しく授業をすることが生きがいの教師にとって、「無反応」ほど、つらい状態はありません。
このような状態を作り出さいためには、教師による、
「より良い規範意識の形成。」
が必要なのです!
▶教師がすべき「ステレオタイプ」からの脱却。
では、教師がどのように働きかけることがステレオタイプを避けることにつながるのでしょうか。
それは、
「子どもの当たり前を修正する。」
ということでしょう。
僕が痛手を負った学級では、スタート当初、表現に前向きな子どもたちがいました。
しかし、集団の大多数が
「表現者に対する否定的な反応。」
をしたため、少しずつバランスは傾いていきました。
その時の子どもの思考は、
「『自分の実力を発揮したい!』という気持ちと、『発揮すれば、集団の規範に反してしまう。』という感情との葛藤。」
であったと推測します。
「やる気はあるのに、やる気があることを表現することは見えない集団ルールに反してしまう。」
という間違った規範の形成。
ステレオタイプにより、表現者でありたい子どもたちに余計な葛藤を負わせてしまったことを今でも申し訳なく思います。
そして、多くの教師にこのような状態になる前に、子どもたちにとってより良い規範を形成するよう支援してほしいと願っています。
▶まとめ。
学習効果の高い学級は、
「間違えた子どもに対して、挑戦したことへの称賛や励ましの拍手など、温かい雰囲気がある。」
という報告もあります。きっと、このような反応は、
「間違えるても、挑戦できる人が素晴らしい。」
というステレオタイプが働いている学級でしょう。
ステレオタイプは、脅威になる場合もあれば、学習効果を高めてくれる効果もあるのです。
ぜひ、この事実を学級経営に役立て、子どもたちが過ごしやすい学級をつくりあげましょう!
いただいたサポートは、地域の「居場所」へ寄付させていただきます!