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「いつもと違う!」からこそ、気にかけるべきこと。

授業も軌道にのり、学校生活のリズムが体にしみ込んできたJUNです。

子どもたちも、休校モードから学校モードへ切り替わってきた様子に安心をしていましたが、注意しなければいけないことを発見してしまいました。

それは、

「転入生への対応。」

です。

我がクラスにも、遠方から転入してきてくれた子どもがいます。意識的に世間話を続ける中で、少しずつ「自分の気持ち」を話してくれるようになりました。最近は、「心配なこと」も相談してくれるようになり、「話をしてくれるようになったことはいいことだ。」と思っていたのですが、そんな悠長なことは言っていられない状況であると気付きました。

それは、

「異例のスタートによる友達づくりの難しさ。」

があるのではないかということです。

▶友達づくりチャンスの少なさ。

みなさんが友達をつくるとき、きっかけとなる出来事は何ですか? 大人になった今、「新しい友達」がばんばんできることはなくなってしまいましたが、環境が新しくなって人間関係づくりがもとめられた場合は、やはり、

「会話。」

ですよね。もちろん、昔からお馴染みの方法であれば、

「同じ釜の飯を食う。」

なんて方法もあるかもしれません。確かに理に適っている方法ですからね。食事を共にすることで、心の距離は縮まることでしょう。

では、子ども時代はどうでしたか? 僕の場合は、「ドッジボール」か「サッカー」でした。単純に、

「一緒に体を動かして遊んでいるうちに友達になっている。」

といった経験が多かった気がします。いや、小学生であれば、そのような友達しかいなかったような気がします。

ここまで、書いたところで現役転入小学生が抱えている悩みが明るみになってきましたね。 そうです、

「友達づくりに欠かせないチャンスが学校生活から欠けている。」

のです。頼みの綱である休み時間がない(休み時間は、授業と授業の合間の5分間だけ)。話をしたくても、ソーシャルディスタンス。グループ活動も認められていない。さらに、短縮日課による学校生活時間の減少などなど。あらゆるチャンスが少なくなっているのです!

このような状況は、転入生の友達づくりを阻む要因となっていることは間違いありません。

▶「今」教師にできること。

もちろん、今まで何人も転入生を迎えいれてきました。そして、みんなが友達をつくって何ら問題のない学校生活を過ごし、卒業していったのが事実です。しかし、今回ばかりは、転入生にとっての不利な条件が多く、僕に相談してくれたお子様も、「学校に来たい気持ちはあるけれど、友達になるきっかけをつかむことができなくて不安が募る一方」とのこと。ここは、やはり担任の支援が必要になってくるのです。

では、具体的にどんなことができるのでしょう。このような状況の中、チャンスは、隙間時間の何気ない世間話の中にしかありません。

そこで僕にできることを考え、

①教師きっかけ世間話からの巻き込み。
②「類は友を呼ぶ効果」を強引に発揮。

という2つの方法を実践しました!

▶①教師きっかけ世間話からの巻き込み。

まずは、転入生の趣味を掘り出していきましょう。何と言っても子どもたちが仲良くなる普遍のきっかけは「ゲーム」です。我がクラスのお子様もゲームが好きということなので、僕とゲームの話題で盛り上がりました。

するとどうでしょう。同じゲームをやっている子どもたちが、次々と話に加わってきます! この時点で、友達となるきっかけづくり完了です!

最近は、オンラインゲームが主流ですから、学校でオンライン上の集合時間を相談して帰るなんて行動も見られます。ここまでくれば、転入生にとって新しい人間関係をつくる状況が整ったといっても良いでしょう。

逆パターンもあり得ますので、簡単に書いておきます。

事前に転入生の趣味や好きなことを聞き出しておいた場合、教師側から同じ趣味をもつ子どもたちに話しかけ、

「そういえばさ、〇〇さんって、そのゲーム強いらしいよ!」

と言えば、

「そうなのー!!」

ってなりますよね。ここまで来たら、転入生を呼び寄せてゲーム談義の開始です。

▶②「類は友を呼ぶ効果」を強引に発揮。

これも至極当然の話なのですが、やはり人間は自分の安心できる居場所を探そうとします。その安心できる居場所とは、

「自分と同じような考え方の人。」

のことを言います。

昔から「類は友を呼ぶ」と言われているように、自分と同じだと感じる「類似性」は、人間関係を築く上で非常に重要になってくるのです。

ここで、教師ができることは、転入生と「類」になれるよう子どもたちの間を取り持つことです。だいたい、このような支援が必要になる子どもは、「自分から話しかけるのは苦手。」と言った場合が多いはずです。

だからこそ、きっかけがないとなかなか自分から話しかけに行くことはありません。まさに、教師の腕の見せ所ですね!!

▶まとめ。

本記事では、「特別な状況だからこそ、困っている子どもたちがいる。」という内容をまとめました。全ての子どもたちが、新しい生活環境をつくろうとしている今、「いつも通り」とはいかない部分も出てくることが予想されます。活動の制限が仲を深める障壁となるような状況であれば、そこは教師が支援すべき部分です。子どもたちの様子をみとり、どのような支援が必要なのかをもう一度考えてみる必要がありそうです!

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