見出し画像

これだからおしゃれは嫌だ

 いきなりの宣伝であれなのだが、ありがたいことに現在浜松市民共同センター2階のはまこらギャラリーにて、10月四日から24日までの二〇日間写真詩展を開催させてもらっている。
 当日の午前中、会場設営に行くと早々中日新聞から取材を受けた。その時の記事が10月8日の朝刊に載ったことを母から聞かされた。その記事がこちらである。↓
全盲の羽田さんら作品展 中区・市市民協働センターで開催:中日新聞しずおかWeb
https://www.chunichi.co.jp/article/559527

「あんたカーディガンは下げてほしかったやー。写真がカラーだから下の服が少し見えちゃってるにー」
 これが記事を読んだ母の感想である。
 その日は中日新聞からの取材の他に、会場であるはまこらギャラリーのユーチューブに上げるためのPr動画を取ることになっていた。なのでいつもよりも少しおしゃれな服を着て行った。おしゃれをして出かける生活とはほぼ無縁な私には当然おしゃれ着など持っていない。というか生まれつき全盲の私には、自分が持っている服の中でどの服がおしゃれ着なのかがよく分からなかった。だから母に相談して、下のブラウスは母から、上のカーディガンは妹から借りることになった。
 全盲の自分にとって、普段着慣れていない服を着るのはものすごく氣を使う。特にそのカーディガンは丈が短くて、動いていてカーディガンが上に上がってしまった時に下の服が見えていないかを触って直さなければならなかった。これが非常にめんどくさい。
じつはその日会場に入る前からトイレに行きたいと思っていた。そんなところに急遽新聞の取材が入ってしまったのだ。突然のことに緊張はするし、トイレには行きたいしでとてもじゃないがカーディガンのことを気にしている余裕は無かった。そのためカーディガンが上に上がり、中のブラウスが薄っすら見えてしまっているような写真が新聞に載ってしまった。
 これはさすがに恥ずかしいと思った。これだからおしゃれは嫌なのだ。でも今後2冊目を出した時などにはたぶんメディアからの取材がたくさん来るだろう。そんな時に備えておしゃれにもだんだん慣れていかなければである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?