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普段、わたしは機織りをしています。

 普段、福祉作業所(就労継続支援B型事業所)で機織りをしている芳-hana-と申します。
 今年の秋で通所をはじめて3年目。


福祉作業所には縁がないと思ってた

 福祉作業所へ通う以前は4年ほどひきこもり状態で、最初は週1日からの通所だったと記憶しています。徐々に通所日数を増やし、2023年12月時点で週5日午前中のみ通えるようになりました。
 対人不安&緊張が強く、ゆっくり時間をかけながらようやく週5日(午前中のみですが)にまでこぎつけた次第です。

 世の中に障害を持った人たちが働く、「作業所」と呼ばれる場所があることは知識としてあったものの、自分が通うようになるとは20代の頃…もちろん10代の頃にも想像していませんでした。

 一般枠・障害者枠で職を転々としてきた末に電池切れを起こしたかのごとく無気力・虚無感に襲われ、もう立ち上がる未来は来ないと思っていたんですけどね。何だかんだで人って、小さな光を見い出せただけで立ち上がりたい、這い上がりたいと願う生き物みたいです。
 そして人を求める生き物でもあります。

「裂き織り」と出あう

 とはいえ個人的に「作業所」のイメージは陰鬱としたものでしたし、偏見がなかったと言えば嘘になります。

 わたしが通わせてもらっている福祉作業所では、「裂き織り」と呼ばれる作業を仕事としています。

──裂き織りとは──
木綿などの縦糸に対して、裂いた古い布を紐状にしたものを横糸として使用し織り込んでいった織り物。
江戸時代から引き継がれてきた技法。寒冷の気候により東北地方では綿の栽培が厳しかったため、貴重品だった繊維製品は使い古したあとも捨てずに大切にされ、裂き織りの技術が生まれたとされている。

 そんな伝統工芸に触れられる環境が、「作業所」のイメージを一変させてくれました。

 織りに使用するための縦糸や布(地域の方々から寄付していただいている、使わなくなった着物を使用しています)を選ぶとき、様々な色が目に飛び込んできます。そこからどんな反物を織りたいかイメージが湧いてきたり、織っている最中に「こうした方がいいかも」とひらめいたり。

「夜明け」をイメージして織った反物がバッグに。
ぐんぐん伸びていく「竹/竹林」をイメージした反物がポーチなどの小物商品に。


変わり始めた意識

 創作意欲が刺激されたおかげで個人的に趣味として刺繍を始めたり、洋服・バッグをつくるようにもなりました。

 もちろん今日までに何度も激しい浮き沈みがあったので、すべてが順調だったわけではありません。現在も不安要素を抱えています。
 特に強いのは「存在に対する恥の感覚」。幼い頃から拭えぬまま、気づけばアラフォーですからね。

 ただわずかに意識が変わったのは、11月頃だったでしょうか。先月だから直近の話。
 季節ごとに開催しているフェアの宣伝に、自分もはじめて携わってみたんです。

秋には毎年東京の吉祥寺にあるギャラリーを借りて、販売会を開催しています。
今年はじめて足を運びました。
施設職員さんが時間をかけて配置してくれた商品はどれもキラキラ輝いて見えました!


 頭の隅で毎日フルタイムで働いていないことへの劣等感があったのですが、宣伝しているうちに「わたしは普段、機織りをしています」と堂々と口にしてもいいのではないか、と感じるようになりました。

・織りの作業をする作業所の利用者がいる。
・利用者の織り作業を支援する職員がいる。
・織られた反物を商品の形に仕上げる職員がいる。
・商品を購入してくださるお客様がいる。

 この流れを最後まで目にしたとき、自分が毎日おこなっている「作業」を「仕事」として捉えていいのだ、と。
✽着物を寄付してくださる方々の存在も忘れてはなりません。

最後に

 これからnoteに綴ることで「裂き織り」の魅力が少しでも読んでくださった方に伝われば幸いです。
 織りだけはなく、個人的に出かけた先で見つけた感動したものや趣味で描いているイラストを載せる場合もあるかと思います

 更新は不定期になりますが、どうぞよろしくお願い致します。

芳-hana-


【おだまき工房(ショップ)】
〒187-0043 東京都小平市学園東町 1-23-23
【ODAMKI(就労継続支援B型事業所)HP】
https://www.odamaki-sakiori.com/

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