自分の中の深淵で魔王に会った話

先日、Sachi Takekoshi dance method academy主催の1dayワークショップに参加しました。

この1年、Happyちゃんの瞑想プログラムを通じて自己探求を続けてきた私ですが、プログラムが進むにつれ、より純粋な「身体としての自分」を見てみたい、表現してみたい、という想いが募って行き、今回のワークショップに参加することにしました。

参加前は、流れるような即興舞踊を踊りながら感情を緩やかに解放していく…なんてワークをイメージしていたのですが、完全に良い意味で裏切られました。自分と向き合い、表現するとは、そんななまっちょろいもんではなかった。笑


まずスタジオに足を踏み入れると、なんとも表現し難いエネルギーのうねりのようなものが既に濃厚に漂っていて、みんな揃ったところでHappyちゃん登場。趣旨説明もそこそこに、自己紹介などもちろんないまま、いきなり響く爆音の女子十二楽坊ww

この曲聴くの何年ぶりだろう?
ってかそもそもどういう曲?
なんて考える暇もないほど爆速で、曲に合わせてとにかく内側のものを放出するよう誘われていく。
しかも1回じゃなくて、エンドレスリピートで。笑

全身の使ったことないような筋肉を、今まで動かしたことないくらい限界まで動かしていく。
常識とか恥とか躊躇というものをぶち壊しながら、とにかくはちゃめちゃに動く。

突き上がる動のエネルギー
破、破、破

今まで自分を小さくまとめていた枠が少しずつ壊れ始める

長らく操縦席を独占していた「思考」が、
そろそろと影を薄めていき、代わりに身体の優位性が増していく

思考より先に、身体が私を動かしていく
ただ身体の動きに身を任せる

音を感じながら、突き上がるエネルギーに動かされながら、身体は動き続ける。次にどう動こう?などと考える必要はない。暇もない。

全ては身体がわかっている。

こんな感覚、いつぶりだろう?
子供の時?
赤ちゃんの頃?

いや、ここまで身体に明け渡すのは、この星に生まれて以来、
もしかしたら初めてなのかもしれない。


しばらく無我夢中で踊っていると
ふと突然不安の種が目を覚ます

こんなに動いて大丈夫なんだろうか?

じわじわと恐怖が湧いてくる
思考が戻ってくる

するとあの言語化できないイキイキとした躍動が急に影を潜める



急に全てが色彩を欠く


つまらない


さっきまでのあのイキイキとした、全てが迫ってくるような、一つにつながったような世界はどこへ行ったんだ


そこで私は、恐る恐る身体に
「まだいける?」と尋ねる

すると予想以上の勢いで「行ける!」と即答された


私は肚を決めた。


いいや!
もうこれで心臓が止まっても悔いはないじゃないか
この躍動に身を任せよう!


そう覚悟を決めた私は、また音に、エネルギーに、躍動に身を任せる
とっくに限界は突破している
それでも踊り続けた


すると次に、アイマスクをつけるよう指示される
音楽は一転して、重く静かなピアノ曲

深く、深く、自分の中へと
感情の奥底へ潜っていく

絶望、虚無、怒り
身体に閉じ込めれられていた漆黒の感情を次々と味わっていく
知らぬ間に怒りの雄叫びをあげ、涙が溢れ、嗚咽へと変わる

記憶に紐づかない、深い深い漆黒の闇から生まれた感情

怖くはない
自己対話の中で、こういった闇を幾度も見てきた
意識の奥底には漆黒の闇があるのだ


そこでHappyちゃんの声が聞こえた

「そのすべての感情の上に君臨して!」

その声が未知なる扉を開く


そして突然思い出す

そうだ、感情は「私」そのものではない
感情と一体化されているのはあくまでもエゴ。
小さい自己しかないのだ。


では、わたしとは何か?


わたしとは、その全てを目撃するもの
観測者である
と言うことが、突然に腑に落ちる


そして腹の底から太い笑いが込み上げてくる


ものすごいエネルギー
気でも触れたかのように笑う
言うなれば限りなく純粋な悪。
魔王のようなエネルギー


そこにはいいも悪いもなかった


黒も白もなかった


光り輝く黒はもはや白よりも明るい光だ


ルシファー、光を与える者


自分の中に確かなその存在を感じたときに、ふと今までにないほどの静寂が訪れ、音楽も終わった。


ものすごい爽快感だった
極限までの身体表現と、深い感情解放で、身体は悲鳴を上げているはずなのに、至福感がハンパない。

すべての細胞の扉が開かれ、深い部分からの解放が行われた感覚がある。

突然、身体から「ありがとう」という声が聞こえた

同時に、咽ぶように嗚咽が込み上げる

恐れと共に閉じ込めてきたもの
爆発的な身体の表現
それらがやっと出口を見つけて、表に現れることができて、魂の底から喜びと癒しが湧き起こっている。
そう感じた。


こんなにヘトヘトなのに、こんなに身体が軽い
なんとも不思議な感覚だ


運動不足、部活経験ゼロの私としては、多分、純粋な肉体レベルでは、かなりやばい領域、死のスレスレくらいまで行った瞬間があったと思う。

でも、そこまで行ったからこそ起こった解放というものが確実に存在した

文字通り、死んで生まれ直したのだ


でも実際には死んでいない


死んでしまうかも、と思うくらいまで身体の望む通り、動いてあげたことがなかったのだ。
自分を大切にしないくせに、自分に過保護。
身体を信用していなかった。
死ぬかもと思うまで追い詰めたけど、身体の言う通り死ななかった。
わたしの命は、矮小な私が思う以上に頑丈で、力強く、しなやかだった。


そして私は、もうこの身体に、そして魔王のパワーに出会えただけで、十分だと思った。
これが今日参加した意味だし、私の生きる意味だ。


あとの、喜びのダンスや、龍の舞、お餅つきは、ただただ爆発的に楽しむ時間だった。最高だった。


多分一人では、あの魔王の棲む闇まで降りていくことは難しかっただろうし、そのすべての上に君臨する自分を思い出すこともできなかっただろう。


このタイミングであのワークに参加できたこと、巡り合わせの全ての奇跡に感謝しかない。
魔王のパワーを携え、観測者の視点をとらえて、今この瞬間に君臨していく。


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