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とある小春日和の午前中



三月一日(水)晴れ


一年で一番好きな月の始まりの日。
春らしい暖かな陽気だ。


昨日夫が布団を干しておいてくれたおかげで、昨晩の布団の中はものすごく心地良い場所だった。恥ずかしながら、布団を干すのはどのくらいぶりだろうか…。お日様の匂いの残る布団に埋もれるのがとっても気持ちよくて、すぐ夢の中だった。そして、気がついたら朝だった。


六時過ぎ。
夫が起きたタイミングで娘もむくっと起き上がり、家族揃っていつもより早めに支度を始める。
「ストーブの灯油が切れたからいれようか?」という夫。今朝はストーブのいらないような穏やかな朝だった。「いいよ、いいよ」と心なしかいつもより優しく返事をして、ご飯の支度に取り掛かる。一日分の食事とちょっとした作り置きを作るこの小一時間が、私は一日の中で一番好きな時間かもしれない。仕込み中の塩麹と糠漬けの手入れも忘れずに。初めての糠漬けはまだ仕込み始めて一週間ほど。本漬け前なのだが、ちょっとかき混ぜるのが億劫になってきた。けれど、かき混ぜた後、手を洗う時のすべすべ感が好きで続けられている。もちろん、自分で作った糠漬けを食べるのも楽しみなのだけれど。


そうこうしているうちに空腹の娘が喚き始めたので簡単なご飯にする。最近、久しぶりに一目惚れして買った梶山友里さんの器をおろした。鮮やかなブルーが可愛い。なんてことない料理もとても美味しそうに見える。器にこだわることも少なくなっていたから、心が躍った。

梶山さんの器に悦ぶ春菊と文旦のサラダ



ここ最近は保育園までは自転車ではなくベビーカーを押しながら歩いて行っている。片道二十分、送り迎えの往復で一時間ちょっと。運動不足の体にはちょうどいい刺激だ。おかげで早く家を出るための習慣もついてきて、一日をより有意義に過ごせている気がする。
ささっと化粧をして、最近当てたパーマのセットにちょっと手こづりながら、誰に会うわけでもないのに身なりを整える。誰に会うわけでもないのに、というところがポイントで、気持ちもしゃきっとするし、この時間をちょっと愛おしく思えたりもする。
ちなみに春のメイクは、二年くらい前に買ったSUQQUのオレンジリップでほぼ完成する。ベースメイクを一分ほどで仕上げ、頬と唇にちょんとのせて馴染ませる。リップはりんごのような色のグロスを重ね、指で馴染ませたものを瞼にものせる。いいのか悪いのかわからないけど、これが私の春メイクの定番、めちゃくちゃしっくりくるのだ。


娘を送り届けてからは気の向くままに過ごしてみた。今日は仕事はあまりない。Podcastをつけ、ざっと部屋を片付けてから昨日買ったチューリップが咲いたので写真を撮ってみた。うまく撮れなかった。可愛いらしく咲く双子のチューリップの背景では、優しくて可笑しくて、愛おしい会話が飛び交っていた。


それから、六十円でてんこ盛り入った「おから」も買っていたのでグルテンフリーのおからキャロットケーキを焼いてみた。このレシピは二回目。前回は上手にできたのに、今回はにんじん多めにしよ〜と勝手なことをしたらちょっと失敗した。それでも美味しいからこのレシピは永久保存確定だ。


焼いている間に仕事を片付け、それから布団を干して(またあの匂いに包まれながら眠りたい…)、ぐちゃぐちゃになっていたパントリーの整理をした。部屋は次第にキャロットケーキの甘くて香ばしい匂いに包まれ、お腹が空いてきた。


年末ごろに買って読めていなかったZINEのような雑誌『OYATTU MAGAZINE』をペラペラとめくりながら軽めに昼食を摂った。そしてキャロットケーキも試食でぱくり。ぱくぱくぱく。うんまい…。
ちょうどこのZINEのテーマが「おやつ」なのだ。(私の場合はつまみ食い、だけど。)そして寄稿者のひとり、若木信吾さんの文章が好きすぎて、noteを書かずにはいられなくなった。

OYATTU MAGAZINE 若木さんのページ


というわけで、今こうして今日の午前中のできごとをただ書いている。
水曜日の昼下がり、なんて幸せなのだろう。

娘が帰ってくるまでのあと二時間、なにして過ごそうかなぁ。

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