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【読書】便利さって何だろう?と思った、豊かな暮らし

新しい何かを発売する時、便利だ便利だと言われますが、便利って何のためだったかな……と思うことがあります。

安野光雅さんの監訳の本を見つけました。
小さな家のローラ
ローラといえば、傷だらけの??(古い)

ローラ・インガルス・ワイルダー著、そうです、小さい頃に繰り返し読んだ『大草原の小さな家』シリーズ。ぱらりとめくるとキャリーがまだ赤ちゃんだったので、『大きな森の小さな家』ですね。

懐かしさもありましたが、今読むと「なんて豊かな時代だったのだろう」と思ます。逆じゃないかって?

道具から自分で作る、ある物で工夫する、団欒はお話や歌。
現代人よりずっと知恵はあるし、想像力もあります。
それに、開拓時代の人たちだから逞しいのなんの。

子供の頃から覚えているくだりは、大事に育てた豚を解体するところ。
豚の悲鳴はローラと同じく耳を塞ぎたかったけれど、長期にわたって食べる大事な食糧、残さず使いますし保存します。塩漬けにしたり、ソーセージを燻製したり。

子供たちは綺麗に洗った膀胱をもらって、膨らませて風船として遊びます。子供の頃に好きだったのはこのシーンです。

小さな子でも、成長度合いによって家での”お仕事”があり、生きる知恵や技術を身につけていきます。そうした、人間として生きる知識や技術が、今は足りない気がします。モノは溢れているけれど、溢れているがゆえに工夫しないのではないでしょうか。
やはりこの開拓時代の方が豊かだな、と思いました。

安野光雅さんの絵も魅力的ですが、それより”監訳”というのが面白いです。
ガッチリ翻訳ではなく、時代や文化が違うところを補いつつ、わかりやすいように訳されたものです。でも、小さい頃に読んでいた福音館書店のものとさほど変わらず、すんなりと入ってきます。

テレビシリーズの影響も大きいのでしょうけれど、文庫が出ていたので揃えようと思ったら、子供たちの親の呼び方が「父ちゃん、母ちゃん」だったのでやめたことがあります。

「あの時代なら、感覚的には”父ちゃん、母ちゃん”だったと思うわよ」
母がぼやく私に言い、それもそうだとは納得しつつも、もうあの映像のインガルス一家で「父さん、母さん」が刷り込まれてしまっています。その点でも、安野版は大丈夫です。

手元に置いて「懐かしい~」と涙しながら、時折読み返したい一冊です。

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