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【読書】発達障害のある人の「ものの見方・考え方」

先日、発達障害についての有料記事を書きました。ご購入頂きました皆様、誠にありがとうございます。カウンセラーやキャリアコンサルタント、経営者、企業人事、管理職の方に届けば良いなと思って書きました。

…の割に有料じゃないか!と思われるかもしれません。発端となったケースが大体2008年でしたから、私はそれから15年以上も、同僚として、上司として、指揮命令者として、人事として、カウンセラーとして「では会社(上司、人事)はどうすれば良いのだ」と、勉強しつつ迷いつつ試行錯誤してきました。その歴史大げさを個人や企業が特定されないように実例を挙げて書いていますので。

投稿と同じ頃、ここに載せたのとはまた別のケースを、グループスーパービジョンに提供しました。その場は産業カウンセラーだけでなく、キャリアコンサルタントもコーチングのコーチもいる場ではありましたが、そもそも発達障害についての理解度が低く、事例提供した私は「自分ならこうした」「実はこうだったのでは?」という別角度の意見ではなく、ほぼ感想しか聞けませんでした。

これはカウンセラー/キャリコンとしては由々しき事態だと思っています。というのも「子供に手を上げてしまった……」という相談から、子供の発達障害が見つかったこともあるからです。これはもう、私が産業カウンセラーを取得した頃から聞いていた話です。

発達障害ならではの理解や行動で転職せざるを得ないケースだとしたら、本人がやりたい仕事ではなく「出来る」仕事をまず探した方が良いこともあるでしょう。ですからキャリアコンサルタントにも必要な知識ですし、更新講習でも発達障害分野はあります。

この見立てができるには、知識を持って周りを見渡してみることが必要だと思います。それは発達障害のレッテルを貼るためではなく、自分を含むヒトの傾向を知るためです。

最近読んだこの本は『発達障害のある人の』とはありますが、結局、どこからが障害とは言えないわけで、「こういう状況の時にこういう行動をしがちな人の」ものの見方・考え方と置き換えて良いと思います。

授業に集中できずに成績が思うように伸びない子については、耳からの情報よりも目からの情報の方が取り込みやすいのかもしれない……など、ヒントがあるでしょう。

小学校、中学校と進学するにつれて自分の特徴には(言語化できなくても)気づいて、自分に合った方法で勉強しているのだと思います。私は視覚が強いらしく「繰り返し見る」「書いたものを見る」ことで理解を深めます。耳から入ってくる情報も書き留めれば見えるようになります。

ちょっと気になったのは「信頼できる指導役に聞く」という点です。その場にふさわしい言い方はこうだよ、と自発的に言ってくれる相手がいれば良いのですが、学校や職場で指導・相談役をやらざるを得ない状態では、その人に負担がかかるものです。

そして、発達障害と診断された方もグレーゾーンの方も、そういう傾向があるかも?という方も「発達障害(グレーゾーン/傾向)だから仕方ない」「~だからできません」と断言してしまうと、職場では結果的に自分が苦しくなります。

「ここだけ助けてもらえれば〇〇はできます」
「締切の2日前に一度見て下さい」
など、特性や傾向を踏まえた上で協力を仰ぐのが良いと思います。

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HSP (Highly Sensitive Person) についての記述もありました。

  • HSPは診断名ではなく医学的な根拠はない

  • 「人は『HSP』と『それ以外』に分かれる」と安易に考えるのは、充分な論拠もなく偏見を持つことになる

  • その偏見が強まると、一人ひとりの特徴の違いを見落としやすくなる

  • HSP概念を絶対視しないことが重要

私はHSPに懐疑的です。病気でも障害でもないと言いますが、事象を見ていると発達障害と何が違うのだろうと思っています。提唱した博士の本まで読みましたが、病気でも障害でもない理由は書かれていませんでした。参考文献の提示も乏しく「日本人の心理学者も言っていた」など曖昧な記述があり、日本人の誰が何と言っていたのかわかりませんでした。

HSPの本を読むと「繊細」と「それ以外」のような極端な記述が目立ちます。繊細さもスペクトラムだと思いますよ。私は音や光に対しては敏感ですし、バイオレンス映画なども苦手です。が、HSPの概念で言う行動や考え方にはなりません。繊細さとはまた別物じゃないの?と思っています。

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電話相談の中には、子供が勉強しない、成績が悪いという内容もあります。今年、中学や高校に上がった子が、初めてついた成績が思わしくなかったという声もよく聞きます。

授業が耳に入ってこない子は、この本にあるように目からの情報が頼りなのかもしれません。気になるのが、親御さんがすぐ「塾に入れれば良いですか?」と聞くこと。こうした本で知識を得て、お子さんの得意なやり方を「一緒に」「話し合って」見つけて欲しいです。

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