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服は全く買わないわけではありませんが、そんなに買う方ではないと思います。流行りは興味なし、シンプルで長く着られるもの、あるいはあまり知られていないものが好みです。天然素材が肌に馴染んでくるのが好き。だから、大量に生産・消費された服が、その年のうちに5分の3も捨てられるだなんて、ちょっと意味がワカラナイ……。

映画館で他の作品を観る前にフライヤーを手に取っていて、ちょうど予告も流れて、これは観たいと思いました。

エイミーは英国のブランド《Mother of Pearl》のデザイナーでクリエイティブディレクター。2017年にVOGUEの新人賞を受賞、10万ポンドの賞金でサステナブルなブランド《No Frills》を立ち上げます。コレクションの発表まで18カ月、まずは素材探しから ──。

エイミーがノートにサステナブルで、追跡可能で……と書いていくのを見ながら、企業のミッション・ビジョン・バリューって本来こうやって作るものなのだろうなぁと思いました。机上でこねくり回したり、コピーライターに頼んだりするのではなく、ね。

コレクション前にバイヤーたちに見せると、あまり肯定的なコメントが返ってきませんでした。中でも
「他のブランドもやるなら取り上げるけど」
のようなことを言った人がいましたが、誰も取り上げていないからこそ、先見の明があったね、先駆者だね、などという評価が後からついてくるものなのでは……。

せっかく生産者が見つかったのに、業界の仕組みでその先が続かないのもなんとも歯がゆいです。地球の裏側まで行ったのに!

それにしても、訪れたウルグアイの羊毛業者の取組みが素晴らしいこと。エイミーの投げかける疑問に、瞬時に返ってくる答えがパーフェクトなのです。これはぜひ取引を、と思いますよね。

羊1頭あたりの牧草地が1ヘクタールでしたか、スケールが違います。刈られた毛がふわふわと柔らかそうでした。

そこのペドロさん夫妻が後でエイミーの元を訪ねてくるのが、なんだか涙を誘いました。同じ想いで繋がっているのが良いなぁ、と。別に泣くシーンではないのですけれど。そうして取引が続いていくのもサステナブル。

まだどうなるかわからない新ブランドのドキュメンタリーを撮ろうと思った監督、その監督を動かしたエイミーの熱意。3年にわたって密着したそうで、観ている方にも時に緊迫感が伝わったり、大自然を前に豊かな気分になったりしました。

松屋銀座にMother of Pearlのポップアップが期間限定で出ていると知り(10/10までで、その後大阪と九州(博多?)だそう)映画の翌日に寄ってみました。

エイミーやクロエも着ていた、腕になんとかパールのついた服がありました。ジャージ素材あり、羊毛っぽいニットあり、同じデザインでも素材が違うと印象がかなり変わるものです。

ゴテゴテしていないけれど、まるっきりシンプルというわけでもない、大人っぽくも可愛くも着られるような服たちでした。

ショップのお姉さんと映画の話もできました。映画を観て来店する方もあれば、通りかかって可愛いからと購入される方もいるとか。

理念に共感したからMother of PearlやNo Frillsを買おう!というのも良いかもしれませんが、まずは今ある服を大事に着ること。新しい服を買う時は、環境に配慮した製品を買うこと。そこから始めれば良いかなと思いました。

ここは、地下鉄から松屋銀座の地下1階に入る辺りのウインドーです。4Fのポップアップで聞いて、ここを通ってきたのに全く気付いていなかったことを知りました……ので、また地下に戻りました。

スリットが入っているボトムスも特徴だそうで、このスカートもそうです。足さばきが良くなりますよね。

バッグもあるのかと思ったら別のブランドでしたが、プリントをやめて型押しにしたことで、地球環境に良くない工程を減らしたのだとか。理念が同じもの同士のコーディネートも楽しいですね。

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