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ムーンストーンの話をしていたら、月で産出する石かと思われたことがありますが、本物の「月の石」はワシントンD.C.の航空宇宙博物館にあります。触れます!触ってきました!意外と入口近くにあって見逃してしまい、後から戻ってナデナデしました。

6月の誕生石であるムーンストーンは月の石ではありませんが、その柔らかな光は確かに月のようでもあります。フェルドスパー(長石)グループに属し、種はオーソクレイスフェルドスパー(Orthoclase Feldspar)変種ムーンストーン(Moonstone)となります。和名は月長石です。

種の名前の由来は、ギリシャ語の“orthos”(直角の意)+“klasein”(劈開の意)で、劈開が直角に交わることからだそうです。劈開は、ダイアモンドの時にも出てきましたね。石がスパーン!と割れる方向です。

モース硬度(引っかきに対する硬度で、ダイアモンドが10)は6~6.5ですので、超柔らかいというわけではないのですが、この劈開により割れやすく、取扱い注意です。
ですから、エメラルドの時にも出てきましたが、カボションカットというドーム型のカットにすることが多いです。

最大産地はスリランカ。当地では、このように井戸を掘り、泥の中から原石を探します。見学に行った時はちょうどスコールの後だったので、ポンプで水を抜いていました。靴もドロドロになりました……。

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スリランカの井戸式採掘場

これは、オレンジムーンストーンです。カボションカットです。
ムーンストーンに見られる幅広い光はアデュラレッセンスと呼ばれます。
専門的な表現ですと『母石とわずかに異なるRI(屈折率)を有する、別のフェルドスパーの微細な集中による回折、干渉、拡散により生じる。』ですが、超簡単に言うと光の加減です。

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当時の職場の同僚がオレンジムーンストーンが欲しいと言っていて、たまたま訪れた馴染みの御徒町のお店にあったので、借りました。

借りる--宝石業界は「委託」という制度があり、借りた状態でお客様に見せて、成約したら購入することができます。現金で買った方が安くなりますが、仕入れると在庫になりますので、私のような細々系ジュエラーには大変有難い制度です。
信用ある相手でしたら伝票一枚で借りられますが、この時は「現金委託」にして、石の代金分をお店に預けました。売れなければ返却時に返金されます。

借りて見せたのですが、ちょっと違うということでした。ですが、私が気に入ってしまって、ふくりん留めのシンプルなリングを作ってもらいました。

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リングとのバランスでおわかりかと思いますが、わりと存在感のある大きさの石です。ですが、こういうつるんとしたデザインですと、普段使いにもってこいです。

こちらはリフォームの依頼でした。

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ちょっと小さいですが、リフォーム前

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リフォーム後

若い頃に買ったちょっと可愛らしいデザインを、今つけられるようにしたいというご希望で、こちらもシンプルなふくりん留めにしました。石の向きが変わると印象がずいぶん違って見えるものです。
ピカピカの鏡面仕上げではなく、マットな仕上げというのもお客様のご希望でしたが、ムーンストーンの柔らかな感じによく合います。

またその方の、落ち着いて優しい感じとよく合うのですよ。惚れ惚れ。
着けて下さっていたら嬉しいです。

上の写真はスターが出る、ブラックスタームーンストーンです。

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